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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 233

所属厩舎でのアレが功を奏している…かはわからないが、2年目のジンクスというのも何のそのという雰囲気である。
複雑な気持ちはあるがいずれそう言うときは来るから、と澪に悔しさは微塵もない。
自分は少しでも食らいつくだけだ。

悠は京都記念にも乗り馬がいて、6歳になる古豪スピードヒーローがその騎乗馬。
年明けに日経新春杯を勝っており、衰える気配は全くない。

人気はリトルウイングとAJCCを勝ったカシマウイングの2頭で分け合い、そのあとに続くのがリトルウイングの同期であるマヤノオリンピアとメジロゴスホーク、そのあとにスピードヒーローといった具合。

リーディングでは悠に先行されている澪であったが、直接対決では澪の方が先着している数は多い。
特に澪の方が人気馬に乗っているとか言うことでは無い。
実は悠と同じレースの時の澪の身体は強く疼き、股間は溢れんばかりに湿り気を帯びているからなのだ。

有力牡馬に乗ると以前もそう言う傾向があった澪だが、悠と同じレースだと関係無く疼いている。
そしてそれが澪の気持ちを昂らせて、レースにも好結果に繋がる。
予想屋の中には『相沢が気合い乗りしてると買い』と言う事を以前から言っていたが、益々今年に入ってその傾向が強くなっている。
因みに澪自体は気合い乗りして引き締まった顔をしているのではなく、単に疼いているのを悟られないようにしている顔だったりするのだ。

そんな引き締まった澪の顔を見て悠が微笑む。

「惚れちゃいますよ、澪さんのそんな顔」
「もう、茶化さないでよ」

待避所で馬を寄せてきてそう言う悠に澪は口を尖らせて返す。
実はあの初めての日から週4から5のペースぐらいでヤリまくっている2人である。

若い性欲を思い切りぶつけているせいか、澪も毎日が好調なぐらい。
自分でも馬に乗れてる感があるし、身体も気持ちも軽やかだった。
ただ欠点は悠に勝ちたいと言う気持ちが薄れていると言う事・・・
セックスではメス的に屈服されてしまった感があるせいか、悠が勝つと嬉しくなっていたし、直接対決で負けても悔しさより嬉しさが勝ってしまう。
まあ、セックスの時に悠に『澪さんは僕のモノです』と言われて喜んでいるから、もうそれは仕方ないのだろう。

これで正式なお付き合いはしていない。
俗に言うセフレ的な扱いなのだが、それで澪は満足していた。
悠が寛子を抱こうが、厩舎スタッフ達を抱こうが嫉妬心が湧かないと言うか、彼なら当然とすら思ってしまうぐらいメスとして屈服してしまっている。
親友のシャロンが結婚せずシングルマザーなのを聞いて理解できなかった澪だったが、今はそれが理解できてしまっている。

まだまだ若いんだから十分遊んだっていいでしょ
そんな思いは澪にも、悠にもあったりする。

ただしマスコミには気を付けなさいよ、と寛子には注意されている。
まあ、一緒に悠にご奉仕しながらの話だったが。

ただしレースでは容赦しない、それだけだ。

そんな真剣勝負だからこそ、互いに身体を重ね合わせた時は燃え上がる。
それを半ば楽しみにしながら、澪はリトルウィングをゲートへ誘ったのだ。

レースはメイショウエイカンが引っ張り、メジロゴスホークが追走する展開で始まる。
スピードヒーローは5番手、その後ろにカシマウイング。
リトルウィングは後方集団に位置していた。

リトルウィングの今年の第一目標は大阪杯だが、その後の天皇賞も見据えたレースをするように仁藤からは指示を受けていた。
リトルウィングの適距離は1800m前後だと澪も思っているが、ノーザンテースト産駒らしい柔軟性で菊花賞もこなせた。
だが、春の天皇賞の3200mはかなり長い。
じっくりと脚を溜める競馬をしておきたいと言うのがあった。

そんな澪にとって好都合にも、メイショウエイカンの引っ張るスピードは程良い速さ。
折り合いに不安が無い馬だけにどうにでも仕掛けていける。

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