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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 213

スローペースを嫌ってか仕掛けて行ったユウミロクに対抗する形で一歩先に出たが、それでも暴走しているわけではない。
澪がプチソレイユを動かしたことにユウミロク鞍上の音橋は最初は驚いたように澪の方を二度三度見てきたが、その後はニヤつきながらプチソレイユについて行く形をとった。

マックスビューティは依然ポジションをキープするに留まっていた。
むしろそこにタレンティドガールが並んで交わしていくくらいだった。

それでも3番手以下の後続とは相当距離が開いていた。
その状況で4コーナを回り直線に入る。

直線に入りプチソレイユを追う澪。
同じくプチソレイユを交わそうとユウミロクも追うが、逆に差が開いていく。
これこそが澪が仕掛けたマジック・・・
種明かしは単純で、前半は超スローペースで後半になり平均ペース。
澪はプチソレイユを掛かったように見せかけつつも、平均ペース程度になるよう調整していた訳だ。
だからプチソレイユは逃げたとは言え、スタミナは十分に残っている訳だった。

こうなると後続も必至に追えど、スタミナを残すプチソレイユに追いつくのは困難だ。
追いかけても差が中々縮まらない。
そんな中でもタレンティドガールやダイナシュート、ダイナブリーズと言った実力馬は他の馬より追い上げてはいるものの、プチソレイユまでは十馬身程まだある。

そんな中でも二冠馬マックスビューティは流石の追い上げを見せるが、それでもプチソレイユまでは五馬身以上の差があったのだ。

マックスビューティはさすが牝馬二冠の力を見せた、とは言っても先にリードを作ったプチソレイユには届かなかった。
同じく先に仕掛けて粘り込もうとしたユウミロクを交わすのが精一杯の2着。
プチソレイユは結局3馬身半つけて押し切った。
澪の快心の勝利であった。

この勝利を誰よりも喜んだのは松山だ。
澪がプチソレイユとともに引き上げてくると真っ先に出迎えた。

「してやったりだ!良くやったな!」

満面の笑みの松山に澪も笑顔で返す。
まさしくしてやったりと言う表現が一番しっくり来る勝利だった。

これでG1馬になったプチソレイユ。
次走は年末の有馬記念に選ばれれば出ると言う方向で調整する事となる。


次週の東スポ杯2歳ステークスでプラニフォリアは2着。
次走は阪神ジュベナイルフィリーズではなく、距離の長いホープフルステークスに向かう事にした。
そしてマイルチャンピオンシップはウィンドサッシュが参戦。
若いながらもG1常連になりつつある横平が騎乗する。

本命はニッポーテイオー。
ダントツの1番人気となっていた。
その後は差が無くセントシーザー、ポットテスコレディ、アイランドゴッテス、ウィンドサッシュなどが占める。
得意のマイルに戻ってどうニッポーテイオーが勝つかが最も注目される事で、それが人気にも現れていた。

好敵手であるウィンドフォールに秋の天皇賞で敗れたが、ほとんど差はない。
それからメンバー的にはGTとはいえレベルは下がるという評価だったので、この人気は当然ともいえる。
鞍上の郷家も気合が入っていた。

14頭がきれいにスタートを切る。
ニッポーテイオーはスピードを生かしてやはり先手を奪いに行く。
しかし今回はその隣枠に入っていたアイランドゴッテスがニッポーテイオーからハナを奪った。

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