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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 20

ブレイヴェストローマン産駒の牝馬は母系もアメリカ血統で、豊富なスピードを持ってそうだった。
そしてリマンド牝馬は母系がスターロッチ系。
国産のスピード血統にスタミナ豊富なリマンドで補正したバランス型だろう。
それだけに高値が予想された。

それを真奈は危惧していたが、樹里にしては多少の高値でも買える財力はある。
ただ、適正価格は分かってないので、真奈には高すぎると思ったらセリから下りると伝えていた。

セリの値動きはやはり活発。
どんどんと値は上がる。
ただ、樹里にとっては想定内の金額だった。
そして、真奈が設定していた目標金額に到達する手前で値動きが鈍り始める。
樹里が入札する。
暫く待って応札がある。
それを繰り返し、どんどん応札する間が長くなっていき、そして声が止まった。

それは丁度、真奈が設定した金額手前であったのだ。

樹里が落札したことを告げるハンマーの音が鳴る。
それを聞いて真奈はほっと胸を撫で下ろす。
想定の金額内で購入出来た。

「楽しみな仔が増えましたね」
樹里は涼しい顔で、どこか子供みたいな嬉しそうな表情でそう言った。

「リマンドの子は走りそうな雰囲気がありましたし、私としても欲しいところではありました。ただ、ちょっと値が上がって…心配でした」
「私も。ちょっと熱くなってしまいました」

微笑み合う樹里と真奈。
こうして、樹里の初めてのセリは無事に終わったのだった。


そして夏競馬の終盤へと差し掛かる。
クローバー賞でスターライトブルーは距離延長も無関係とばかりに快勝。
今回も逃げ切り勝ちであった。
自走はデイリー杯2歳ステークスを予定するとの事だった。

シロノライデンの方は3着。
エンジンのかかりが遅く、怒涛の追い込みも届かずと言う展開だった。
仁藤調教師は自走の神戸新聞杯の予定は変わらず、菊花賞の優先出走権を狙っていくとの話だ。

ここまでの馬主生活は順調と言える。
涼風ファームの状況も思ったより酷くは無く、施設の更新工事はしたものの、使った資金は想定より少ないぐらいだった。
それはいい出来事であったが、人生はそうとばかりは限らないのであった。


夏の終わり。
もう一つ樹里にとってイベントがあった。
子供達と元夫の面会である。

これは一年ぶりぐらいに不意に向こうから申し出てきたものであった。
子供達に合わせていいのかと葛藤しながらも、樹里はそれに同意した。
何より、樹里自身が元夫への気持ちを断ち切れずにいたからだった。

そして、当日。

「パパっ!」

面会場所のホテルのスイートルームで元夫に抱きつく長女。
戸惑う次女とは対照的に、覚えている長女にとっては父親なのだ。
その長女を抱きしめる元夫・・・
佐原祐志は相変わらずいい男っぷりだった。

白幡家に婿入りした祐志は、そのコネを使って有力政治家の佐原に接近。
その娘と関係を持ち、白幡家から佐原家に乗り換えしたのだ。
どう考えてもクズな行動をした祐志は白幡家とグループからも嫌われてはいたが、樹里は今だに恨めずにいる。
むしろ久々に会えて喜んでいる自分がいた。

見た目はいい、人当たりもいい。
だが内面はクズ・・・
それでも嫌いになれない。

そんな樹里の前で長女ははしゃぎ、次女もいつしか慣れてきていた。
そして、はしゃぎ疲れた子供達が寝てしまい、そこで初めて祐志が樹里を見た。

「久しぶりだな」
「ええ・・・」

見つめられて若干赤面するのを感じる。
自分がまだ好きなままなのを再確認するようだった。

「楽しみにしてたみたいだな、しっかり化粧して」

見透かされるような酷薄な笑い。
良い人に見えてサディストなのが彼の本性だ。

樹里は答えれない。
期待していないと言えば嘘になる。

「俺と会いたくて濡らしてたんだろ、メス豚」

身体を近づけてくる祐志。
樹里は逃げれない。
いや、逃げたくないのだろう。

「何故、今頃・・・」

ようやく出した言葉。
それを笑い飛ばす祐志。

「佐原が馬を買う・・・俺がそれを任された」

佐原は有力な政治家であり資産家でもある。
彼が馬主になれば相当な資金力で馬を買える筈だ。
つまり、それを任される祐志は宣戦布告に来たのだろうか。

「それは私に言いにくる事じゃないでしょ?」
「そうだな・・・だが、俺が同じ所に居ると思えば嬉しいだろ?」

挑発するような物言いで樹里を煽りながら、ベッドに押し倒してくる。
抵抗は、出来なかった。
いや、しなかった。

「酷い人・・・」
「濡らしながら言う言葉じゃないな」

祐志の手で触られた下着は確かに濡れていた。
そんな樹里を嘲笑うかのように祐志は樹里の服を剥ぎ取っていったのだ。

そして・・・

「んああぁっ!」

樹里から歓喜の声。
待ち望んでいた祐志のぺ◯スを挿入されて、樹里は祐志のメスに戻ってしまった。

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