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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 187

裕美にしても真奈にしても、これだけ性生活が爛れていくと、留学から帰国した奈帆と由紀はどんな顔をするか少々心配になる樹里である。何しろ自分たちの知らない間に弟妹が増えているのだから。

「私の子ですからすぐに順応してくれますよ」

なんて裕美は暢気に言うのだが。

「まあ、元気なのはいいことだわ」

パン!パン!バチッ、バチッ

「向こうはもっとすごいぞ」
「百合ちゃんとジョンね」

獣のような激しい交わりをするジョンと百合。
2人も周囲を気にせずセックスに没頭している。
そして、その横では真奈が熱心にエリックの巨根をしゃぶっていた。

これも繁殖牝馬に発情を促し、種付けをスムーズにするからこそと聞いてはいるが、樹里は今だに半信半疑だ。
ただ、真奈達に聞くと効果は大きいらしく、半信半疑ながらもやりたいようにさせているのが現状だ。

「そう言えば、この馬は?」

そんな繁殖牝馬の中で見慣れぬ馬がいた。
最初はシャダイソフィアをいよいよ種付けかと思ったのだが、よく見ると違う。

「他所の牧場から預かっているのさ・・・種付けを相当嫌がる馬でね」

そう言うヘンリー。
種付けを嫌がる牝馬は意外と多く、中には暴れる馬もいたりする。
この預かった馬・・・レーシングジィーンも癇性が強く種付けが難しく、スタリオンからお断りされていると言う事だった。

「とりあえず今年一年預かって、落ち着かせる予定さ」

ヘンリーによると、今年の種付け相手は何とかライラリッジが受け付けてくれるらしいが、そこに持って行く前に慣らしている最中だと言う。

一応このぐらいの話であれば、牧場の自由裁量を許しているから、初耳の樹里も文句は無い。
育成の方も、祐志のコネクションを中心にそれなりに受け付けていて、そちらも好評。
こんな形でも涼風ファームが評判になってくれれば良いと思っていた。

「それはお任せしますね・・・それとシャダイソフィアは?」
「もう1年様子を見るって兄貴がね・・・しっかりと多くの子を産んで欲しいから万全で挑みたいと言う事だ」

ヘンリーの口ぶりからは『行けるんじゃないか』と言う感じだが、エリックは慎重なようだ。
それにスターライトブルーの方も馬産地で人気なようで、そこまで焦りは無いのだろう。


そんな涼風ファームの状況を確認して週末。
京王杯スプリングカップにはウィンドフォール、ヴィクトリアマイルは帰国初戦のリュウノラモーヌが参戦。
その次の週は、同じく帰国初戦のフルダブルガーベラが平安ステークスに、更に次の週はダービーでリトルウイング。
更にダービーの後にはプチソレイユが目黒記念に登録と、所有馬の大レースが続くのだ。

その5月半ばから続く所有馬の出走ラッシュ。
先陣を切るウィンドフォールは京王杯スプリングカップで惜しくも2着。
先手を奪ったニッポーテイオーをあと一歩捕えきれず。
それでも次に楽しみの持てる内容だったと奥原は語った。

その翌日はヴィクトリアマイル。
サウジで勝利、ドバイでも惜しい競馬のリュウノラモーヌはこの帰国初戦でも断然の1番人気に推される。

ライバルはタカラスチールにアクトレスとシュートのダイナ勢2頭、ラッキーオカメにカツダイナミックなど。

このレースの後、状況次第ではあるが奥原は海外遠征も視野に入れていた。
それは、ヨーロッパの真夏の大レース・・・
キングジョージY世&クイーンエリザベスステークスへの挑戦だった。
そして、キングジョージからもう1レース使って凱旋門賞へ向かう。
それは日本のホースマンにとって夢の舞台に立つと言う事だった。

ドバイで負けはしたものの、世界を相手に戦えない訳では無いと自身は持った奥原。
それならばと思い切っての競馬の本場での挑戦を考えていた。
その為にもここを確実に勝っておかないといけないと言う訳だ。

そう言う事なのだが、澪に気負いは無い。
当然、勝ち方を問われるレースだが、ラモーヌに跨った瞬間から何も心配していなかった。

それもその筈。
一頭だけ雰囲気が違っていた。
本馬場に入っての大歓声にも全く動じず、軽いフットワークで走っていく。
成長したと言う感じではなく、成熟したと言う表現の方が合うぐらい馬に重厚感があったのだ。

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