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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 185

エリックの言葉に樹里から笑みが自然とこぼれる。

「その淫らな顔が一番綺麗だな」

自分の顔は見えない樹里だが、自分が凄く卑猥な笑顔をしているのは理解できている。
スッとエリックの背中に寄り添う幸子と目が合うが、彼女の淫らな笑みと同じ顔を自分もしているのだろうと思う。

そのままベッドに座ったエリックの巨根に自ら跨る。

「んああぁっ!ふっ、太いぃっ!!」

悦びの声しか口からは出てこない。
樹里は自ら腰を振っていく。

「ああ・・・エリック・・・まだ足りないわ」
「ふふ、サチコもジュリも今晩は寝かさないさ」

この逞しいオスの精力は無尽蔵であった。
朝まで2人はたっぷりと可愛がられるのだった。


今年の天皇賞春は大本命シロノライデンが田沢を鞍上に迎えて挑んだものの、復活のミホシンザンに敗れる波乱・・・
しかも、最後の直線での大斜行で失格と言うおまけまでついた。
シロノライデンに衰えは無いが、最近随分頑迷かつ我儘になってきているらしく、これは寛子から担当が変わったストレスがあると見られていた。

悪い事は更に続き、皐月賞馬サクラスターオーが繫靭帯炎を発症。
ダービーは絶望となり、涼風ファームで療養となってしまった。

種付けが始まる大事な時期であったが、サクラスターオーとあって牧場で迎える事に反対は無い。
エリック達が責任持ってターフに返すべく療養させる事になったのだ。


そんな中、NHKマイルカップが開催される。
桜花賞からウィンドサッシュが参戦。
オークスは距離的に合わない事から、ここに照準を定めたのだ。

人気はウィンドサッシュが実績上位から一番人気。
そこにハセベルテックス、ニシノミラー、ギョシュウ、ユーワジェームスと続く。
今回はサクラスターオーの故障からダービーに向かう馬が多く、メンバーは多少少ない開催となった。

ウィンドサッシュの鞍上は横平が続けて務める。
リーディングトップを今年も走り続けている澪と、この横平・・・
そして新人離れした勝ち星を上げていく舘と言った若手の台頭で、若い力が競馬界を盛り上げてきていた。

ギョシュウ鞍上の柴原善人も横平とともに関東の若手として期待される。
樹里は仁藤や奥原から紹介された彼ら期待の若手ジョッキーを積極的に起用している。
それが日本競馬のレベルアップに繋がると考える…これはエリックや祐志からのアドバイスでもある。

福島牝馬ステークスで初重賞制覇したプチノワールの鞍上も若手の熊崎だし、奥原からは舘の同期の蛯原も将来有望だと勧められた。

前走桜花賞2着のウィンドサッシュ。
横平にとっては悔しさの残るレースだった。

ここで雪辱を誓っているが、その顔には焦りは無い。
随分と自信をつけ、一人前の騎手の顔になりつつあった。

「甥っ子さんも順調ですね」
「とは言え、一人前にしてやる責任を背負っているからねぇ」

愛美に言われ苦笑する奥原。
甥の目覚ましい成長が嬉しい以上に、何とか一人前にしてやらないとと言う責任感の方が強い。
甥だからと言う部分だけでなく、親友であり義弟である横平の父から託されたと言う思いからだった。
そして、何より彼を一人前にする事は、彼の才能に気づき期待を寄せていた亡き親友の供養になると思っていたのだ。

そんな成長著しい横平だが、大きな長所と共に大きな欠点も持っている。
考えるより感性や閃きで乗ってしまう天才的な部分と、それ故に大きなミスも多い。
同じ天才タイプの田沢に比べると、感性や閃きはいい勝負なのだが、肝心の勝負勘があるとは言えない部分があった。
それ故に成績が極端で不安定なのだ。

人気薄の馬をアッと言わせるような快走に導くこともあるが、逆に人気馬で大敗することもある。
安定していい騎乗を続けられたらリーディングだって意識できる力も才能もあるだけに奥原にはそこが今回も心配だったのだ。

ウィンドサッシュの状態は抜群。
間隔の短いローテでも疲れはなく元気いっぱい。

「ここを走ったら秋までお休みだから馬も人も全力を出して欲しいところだね」

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