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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 183

馬の調子は悪くない。
距離的にも充分こなせると見ていた。

そんな皐月賞には、エリックと幸子も観戦に来ていた。
勿論、お目当てはサクラスターオーである。

「勿論、リトルウィングを育成してきた身として、気にならない訳は無いさ」

エリックが言うように生産こそしていないものの、サクラスターオーだけでなく、リトルウィングも涼風ファームの育成馬である。
彼らの育成方針は、短所を矯正する事よりも長所を伸ばす方針であり、両馬共にその方針に従って育成されていた。
その育成の中でも、リトルウィングのスピードとサクラスターオーの爆発力は最大の長所として伸ばしてきた部分だ。

「ただ・・・サクの爆発力は諸刃の剣だ」

エリックのサクラスターオーに対する不安はそこだけだ。
爆発的な瞬発力を持つサクラスターオーだが、それは元々弱い脚元に負担をかける。
だからと言って競走馬としての宿命上、そこを育成しないと大成はしない。
そんなジレンマを抱えながら育成してきた訳だ。
それに比べるとリトルウィングの方が思い通りの育成は出来ていた。

スピードはもちろん、ラルフやジョンの施したスパルタ気味の調教にもへこたれることなくこなして見せたリトルウィングは、タフさもずば抜けていた。

「消耗の激しいレースでも疲れた素振りを見せないんですよ」

澪がそんなことを言ったのも思い出す。

一方のサクラスターオーは弥生賞の後、陣営が少し負荷をかけた調整を行ってきていた。

そのせいか弥生賞の時よりも仕上がりは抜群に良い。ただ疲労感なのか、少しイレ込んでいるようにも見えた。

「仕上げはギリギリになってしまうのもサクの宿命だな」

不安な脚元を抱えながらの調教は難しい。
だからと言って、これ程の素質馬の才能を眠らせるのも競走馬の宿命に反する。
つまり、正解は無いのだ。

そんなエリックと多少不安な面持ちで観戦する幸子。
そんな中でレースが始まった。


スタートして先頭はトチノルーラ
リトルウィングは5番手と前目の位置。
マティリアル、ゴールドシチー、ホクトヘリオスら有力馬は後方集団に位置し、そこにサクラスターオーもいた。

ペースは平均的。
澪としては良い感じで前目に付けれたのが好材料だ。
後ろの方で有力馬が固まっているのが気にはなるが、まずは自分の競馬をしてこそと思っている。

トチノルーラー、ビュウーコウという快速馬が軽快に4コーナーまで差し掛かり、後続も徐々に動きを開始する。
バナレットが3番手で、その外からリトルウィング。
内のマイネルダビデはやや手応えが悪くなる。

後方ではモガミヤシマがまず上がって、人気馬ではサクラスターオーが真っ先に外側から押し上げていく。

直線では先頭グループがガラッと変わりリトルウィング、バナレット、モガミヤシマ、そして外からまとめて交わさんとサクラスターオー。

そこからのサクラスターオーの末脚は凄かった。
並ぶ間も無く交わして行き、先頭に立つと突き放していく。
リトルウィングも前を交わしていくものの脚が違い過ぎた。

何とかサクラスターオーに続く2着でリトルウィングもゴール。
後ろからのゴールドシチーとマティリアルの猛追を何とか凌ぎきった。
流石に勝った馬が強すぎた。
澪も完全に脱帽の強さだったのだ。


サクラスターオーの皐月賞制覇から数時間後。
樹里はエリックと幸子と共にホテルの一室にいた。
全裸の樹里と幸子はエリックに抱きつくが、幸子の方が情熱的だった。

「サチコに生理が来てる」
「はい・・・種付けの準備ができています」

嬉しそうにエリックの頬にキスする幸子と、抱きつく幸子の尻を撫でるエリック。
今年50歳になる幸子の顔はメスになりきっていて、その手はエリックの巨根をしっかりと掴んでいた。

愛する男の子供を孕める幸子が樹里には羨ましい。
そして、女としての幸せを得て若々しい幸子が更に羨ましくあった。

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