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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 153

種付けにもかなりの体力を使う。
運よく受胎できたとしても出産にも体力を…重度の故障から奇跡的に回復を遂げたシャダイソフィアには過酷なのは間違いない。
ただ、そのリスクを負ったうえでもシャダイソフィアの血を継ぐ子を残したい吉野の気持ちも理解はできた。

運命の時まで時間は少ない。
今はシャダイソフィアの全快を祈ることくらいしかできなかった。

そしてシーズンは進み、秋の牝馬最強決定戦、エリザベス女王杯が開催される。
リュウノラモーヌのジャパンカップ参戦で、本命無き混戦と言われたが、結果はスーパーショットが勝利。
2着はロイヤルシルキー、3着はダイナフェアリーと3歳馬が続き、この世代の強さをアピールした。

次の週はマイルチャンピオンシップ。
ウィンドフォールが出走する。
だが、レースは逃げるニッポーテイオーをタカラスチールが一瞬で差し切る。
短距離女王の一瞬の切れ味は健在だった。
ウィンドフォールは全力を出し切ったものの3着。
今日は前の2頭が強かったのだ。


そしていよいよ、ジャパンカップ。
三冠牝馬リュウノラモーヌが堂々の一番人気であった。
2番人気は天皇賞で激走したサクラユタカオー、3番人気は世界の女傑トリプティク、4番人気はミホシンザン、5番人気はシロノライデンとトリプティク以外は日本馬が人気上位であった。

やはり注目は『女傑対決』と銘打たれた通り、リュウノラモーヌとトリプティクであった。
それはつまり、澪とシャロンの女性騎手対決でもある。

シャロンはどこ吹く風のような態度だが、澪は周りから囃し立てられ意識したくなくても意識してしまう。ましてやほかの知らないところで2人で…

馬のほうはいたっていつも通り。
どちらも漆黒の馬体で落ち着き払っている。

海外勢はトリプティクが鮮烈な勝ちっぷりを見せたことで他がやや蚊帳の外に追いやられている形となってしまった。
そんな状況にメラメラと炎を燃やす陣営が2頭。
ジュピターアイランドとアレミロードである。

どちらも実績はさほど無いが、ここに照準を定めて来ていた。
賞金額で言うと、ドバイミーティングやペガサスワールドカップ等に劣るジャパンカップであるが、香港カップに向かう馬が前哨戦となると言う事で一定の人気はあったのだ。
それ故に狙ってジャパンカップを目指す馬も少なからずいる。

トリプティクもそうだった。
ジャパンカップの後は、香港ヴァーズを予定しており、その後はアメリカに渡りペガサスワールドカップターフに参戦予定。
世界を股にかけて活躍するトリプティクらしいローテーションだった。

そんな話を2人きりの調整ルームで裸で抱き合いながら澪とシャロンは話す。

「澪は今年香港に来るの?」
「奥原先生がウィンドフォールを香港マイルに参戦させてみたいと言っていたわ」
「なら、レッドストーンとの勝負ね」

仁藤厩舎の海外遠征に触発された奥原も、人馬の経験兼ねて香港マイルの参戦を予定していた。
その話で仁藤と奥原が情報交換していたので、澪も知った話だ。

海外遠征のノウハウは樹里がエリックや祐志の手を借りて得ている。
トレセン内でも樹里の所有馬の海外での活躍が話題に上り注目を集め始めた。

「まあでも、ここは負けないわ」
「んあっ…それ反則、ぅ、私だって…っ」

濃密に絡み合う美人ジョッキー2人。
シャロンのほうが攻めである。

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