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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 124

ヒタヒタと迫るガーベラの脚音が、ハナキオー鞍上の堀田とトウケイフリート鞍上の小野川にもはっきりと伝わってくる。
両者必死に追ってリードを保とうとするがガーベラは一歩一歩差を詰め、外から鬼脚で追い込んでくる。

直線半ばからは三つ巴の様相になった。

だが、それも一瞬の事。
グングン加速していくガーベラが並び、そして追い越していく。
そして、交わしきると引き離していく。
ゴールした時は2馬身余りの差。
まさに完勝だったのだ。

この後、ガーベラはレパードステークスを目指し秋に備えていく事になる。


夏競馬の始まりをフルダブルガーベラで勝った樹里。
そんな樹里の元に訪ねてきたのはシャロンだった。

香港競馬は夏の暑さを避ける為、7月から9月までは休みになっている。
新しいシーズンも9月からスタートすると言うある意味南半球スケジュールだ。
そんな事情もあって、休みの時期を利用しての観光旅行らしい。
そのシャロンは一人息子を連れてきていた。

余りの可愛らしさに樹里も心奪われそうになった男の子は、シャロンに似つつもハーフなのがよく分かる容姿だった。
年齢は丁度、樹里の長女と次女の間。
そして父親は、言わずもがなである。

「相沢騎手に合わないの?」
「うーん、勿論合うつもりはしてるけど」

二家族で白幡グループのリゾートホテルを貸し切り。

子供達をプールで遊ばせる祐志を見ながらシャロンはニコニコしていた。
すっかり子供達は仲良くなってるし、祐志が父親として家族サービスしていた。

「何よりもジュリと一緒にユーシに可愛がられたいわ」

仕事の時はきっちりしているが、シャロンは相当甘えん坊なのは樹里も見て分かった。
まだ甘えたい年頃で母となってしまったから余計にそうなのかもしれない。
セシリーにも仕事以外では甘えていたし、樹里にも甘えている所がある。

「ジュリだって、可愛がられたいんでしょ?」
「まあ、そうね」

樹里がそう答えながらもため息混じりなのは理由がある。
シャロンも樹里もプールサイドでビキニ姿なのだが・・・
そのビキニがかなり際どいマイクロビキニ。
祐志の趣味で着せられていたのだが、裸より恥ずかしいのだ。
しかも子供達の前だから余計恥ずかしい。

シャロンの方はそう恥ずかしがっていないのは、メンタリティの違いなのだろう。
それでも惚れた男に着ろと言われて着てしまう辺りが惚れた弱みであった。

街をひとりで歩いていればモデルのスカウトを受ける事もある樹里だが、今堂々と振る舞うシャロンの姿には敵う部分がないなと思ってしまう。

「俺にとっては2人ともいい女さ」
「調子の良いこと言って」
「シャロンの息子と樹里の娘が成長したらお似合いだと思わないか?」
「そうかしらねぇ…」

そんな話もしながら。祐志は一転真面目な顔でシャロンにこう持ちかける。

「シャロン、今年の秋にでも、1、2ヶ月くらい日本で乗るつもりはないか?」

そんな事を言う祐志にシャロンは意味ありげな笑みを浮かべた。

「実は、このだけの話なんだけどね・・・この秋の日本での騎乗依頼、トリプティクのオーナーから貰ってるのよ」

そのシャロンの発言に、樹里どころか祐志まで驚いた。

「本当なのか!・・・あの馬が日本で走るのか!」
「ええ、富士ステークスからジャパンカップと言うローテーションで日本で走らせるって話だわ」

樹里もあのドバイでの豪脚を思い出した。
あれは世界を感じさせる驚異的な末脚だった。

「それで日本に来た訳なのね」
「ええ、現地視察も兼ねたバカンスね・・・来年辺りはシーズンオフに乗ってみたいのもあるけど」

シャロンだけが来た理由も何となく理解した。
祐志も納得したようで、シャロンを抱き寄せてキスしていた。

「流石はシャロンだ」
「ふふ、あなたの女はやり手なのよ」

乳輪をギリギリ隠す程度のマイクロビキニの形のよい乳を祐志に押し付けながら抱きつくシャロン。
人種の違いだろうか、スキンシップに恥じらいを感じないシャロンに対して、むしろそれを見る樹里の方がちょっと恥ずかしい。

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