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アイドルジョッキーの歩む道は
官能リレー小説 - スポーツ

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アイドルジョッキーの歩む道は 75

「そうだね、行けるチャンスがあったらどんどん遠征したらいいと思うよ。エレナちゃんの腕は確かだからね!」
「そっ、そんな…私なんてまだ…」

今でも挙動不審気味のエレナだが、騎手としての腕は碧も認め将来のライバルと意識するほどのレベルだ。

「メインにいい馬持ってきてるんでしょ」
「私の仔はそんな…碧さんはすごい馬で人気もしてるし…」

エレナの騎乗するミノアブソルートは4歳馬で、笠松のスピードキングとも称されている実力馬だ。
彼女の父のアルフレッドが騎乗している馬だが、今回は娘で参戦である。

今年はこのようにレベルの高い馬が集まった。
そして有力馬の多くに期待の若手が乗ると言う状況。
碧としても、今年のジェイアルトゥーベの路線を決める重要なレースなので、気合十分だった。

「あー・・・全くオジサンに楽させようって気はみんな無いのかい・・・」
「駄目ですよタニさん、タニさん楽させちゃうとリーディング取っちゃうでしょ」

やはりと言うか谷口はこんな状況にもマイペースだ。
伊達にレジェンドとは呼ばれない。

単勝人気は谷口騎乗のドンスピリットがわずかにジェイアルトゥーベを上回り1番人気。
碧にしてみればここまで人気するとは、とちょっと意外に見ていた。
豆州湊クラシック1冠目の覇者というネームバリューだろう。

相変わらずジェイアルトゥーベはパドックではうるさい。
ただ、うるさいといっても以前に比べたらずいぶんとマシな方で、パドックで彼を引っ張る里穂は

「今までに比べたら全然楽だよ」
と言うほどである。
前走で由梨が乗ったことがいい効果だったのだろうか。

それだけではなく、調教助手、新堀佳苗が帰って来た効果も大きいだろう。
彼女の調教のお陰か、ジェイアルトゥーベも順調そのものなのだ。

「そう言えば里穂さん、ご機嫌ですね」
「うん、昨日可愛がって貰ったからね」

野川の時はどうだったか碧には知るよしもないが、今の尚樹との関係は彼女は幸せのようであった。
尚樹は正式には黒崎厩舎の一員ではないが、彼女達が働きやすいように雑用してくれたり、色々気を使ってくれたりと、少なくとも全員に感謝されているぐらい働いていた。
野川と尚樹の違いは悪いスケコマシかいいスケコマシの違いと里穂は言っていたが、彼女の表情を見る限り比べ物にならないぐらい尚樹にぞっこんな気はしていた。

かく言う碧も龍也に抱かれたのは、紗英の義理の妹になれるからと言うものだったが、最近は龍也とのセックスを楽しみにしているのを自覚している。
まぁ碧はエッチが好きだもんねと長い付き合いの茜も言っているが、彼女も同じ穴の狢である。

「今日も頑張って、勝って帰っていっぱい可愛がってもらおうかな」
「それは私もかな…まずはレースで頑張ってね!」

碧がジェイアルトゥーベに跨りパドックから本馬場に移動する。
いつもの荒ぶる気性で、飛び跳ねるようにコースへと出て行った。

「いつも通りね」
里穂もその姿を確認した。

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