PiPi's World 投稿小説

アイドルジョッキーの歩む道は
官能リレー小説 - スポーツ

の最初へ
 61
 63
の最後へ

アイドルジョッキーの歩む道は 63

その為に碧も外に振らなければならなくなった。
勿論、そのままダイゴウエンパイアを抜き去れたのだが・・・
この僅かなロスが致命的だった。

猛追したジェイカーマインをジェイアルトゥーベが首差残す。
豆州湊クラシック一冠目は、狂気の韋駄天ジェイアルトゥーベと、それを上手く操った相原由梨に軍配が上がったのだ。


正直悔しかったが、ジェイカーマインには罪は無い。
前岡に文句でも言ってやりたいが、むしろそれが無くてもあの暴れん坊を上手く操った由梨が凄かったと言うべきだろう。
碧はジェイカーマインを労うように撫でてやりながら由梨に馬を寄せる。

「おめでとう由梨!」
「ありがとう!、でもこの子のお陰だよ!!」

満面の笑顔の由梨より、ジェイアルトゥーベの方が自慢気な顔をしてるように碧には見えた。
まあ、厄介なやんちゃ坊主だが、今日は誉めていいだろう。
その顔に多少ムカつくが。

こうして黒崎厩舎にとっては、いい結果でクラシック牡牝第一戦が終わったのだった。



そして、祝勝会も終えた夜半。

「残念だったわね、碧ちゃん」
「お姉ちゃん!、慰めてくださーい!」

黒崎厩舎の大浴場で樹里に甘える碧。
それをやや呆れ顔で見る紗英。

「・・・でも、本当にこれでよかったのかしら」
「いいと思うわ・・・誰も嫌がってないし、上手く行ってるでしょ?」

頭を抱えたくなるような表情の紗英に対して、楽しそうにすら見える樹里。
二人の表情がこうなった理由は目の前にある。

「ああん・・・勝ったからご褒美くださいっ!」
「うう、本気で悔しいっ」
「大丈夫、大丈夫!、二人共可愛がってあげるから!」

全裸の尚樹に同じく全裸の美波と里穂が身体を押し付けている。
随分前から美波と里穂は尚樹と愛人関係になってる。
彼だけでない。
駿太には星野姉妹が、龍也には茜と愛が、それぞれ身を寄せていたのだ。
勿論、肉体関係はある。
しかも誰も嫌がるどころか逆に惚れてすらいる様子であった。

「まっ、ここは俺達専用の繁殖牝馬牧場にしてやったぜ」

龍也が茜と愛の胸を捏ね繰り回しながらニヤニヤ笑う。

「うん、黒崎ファームだね」

尚樹が爽やかな笑顔で言うが内容は爽やかではない。

「心配しなくても繁殖は計画的に行うし、浅岡家と吉岡家の力を使ってでもバックアップするから」

駿太がそう言うが、今の状況はそう言う問題じゃないだろう。

「乗っとるつもりだったのね・・・」
「いいじゃない、乗っ取られようが・・・乗っ取られた方が最終的に紗英にも都合が良くなるじゃないかしら」
「まあ、そうだけど・・・気持ちが・・・」

愚痴っぽくなる紗英を樹里がなだめるが、そもそも紗英も尚樹の若い肉棒にハマりきっているのだ。
その上、厩舎の士気は高い上に結束力も増してるわやる気に満ちてるわで悪い点がモラルの問題以外は無いのだ。

「私も、みんなで楽しめる今の黒崎厩舎が好きですよ」
「碧まで・・・はぁ」

頭が痛いが、これもありかなと思ってる自分もいた。


地元豆州湊のクラシック第1戦を上々の形で終えた黒崎厩舎。
次はいよいよ中央のクラシック第1戦に挑むことになる。
桜花賞にジェイマリーナ、皐月賞にジェイエクスプレス。
特にジェイエクスプレスは宿敵というべきヴィングトールとの5か月ぶりの対戦でもある。

「ここは兄貴がいないので碧さんを応援しますよ!」
「うん…舞ちゃんがそう言うならありがたいけど、諸澄さんでもああいうことがねぇ…」
「レースの中で起こったことなのでしょうがないっす」

前週のG1、大阪杯で諸澄巧が騎乗停止になってしまったのだ。

幸いと言うか、皐月賞には騎乗停止が明ける程軽いものだったが、精神的にはどうだろう。
隙の無い敵だけに、これで少しでも隙が出てくれれば良いが、相手はあの諸澄巧である。
きっとさほど影響無く出てくるに違いない。


そして、桜花賞の方はジェイマリーナは好走し4着。
結果を考えると上出来とも言っていい。
次走は予定通りにNHKマイルカップを選択。
ここでも上位争いは確実だろう。

こうして碧にとっては本番と言える皐月賞。
ジェイエクスプレスは堂々の2番人気。
圧倒的1番人気のヴィングトールとの再戦であった。

「仕上がりは完璧・・・馬場状態も絶好ね」

紗英も太鼓判押す程のジェイエクスプレスの出来である。
スピード感も冬場に比べて更に成長していた。
碧としてもライバル云々だけでなく、いかに自分のレースをするかだろう。

SNSでこの小説を紹介

スポーツの他のリレー小説

こちらから小説を探す