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アイドルジョッキーの歩む道は
官能リレー小説 - スポーツ

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アイドルジョッキーの歩む道は 45

前走東スポ杯2歳Sでは2着で、ヴィングトールに突き放されはしたものの実力を高く評価されて単勝3番人気。
単勝人気でジェイエクスプレスの上を行くのは京都2歳Sとデイリー杯2歳Sの勝ち馬なので、相当な評価だ。

まずは中山競馬第1レース。
ダート1800mの2歳未勝利戦だが、ヤングジョッキーズシリーズでも同じコースを使う。
舞と美月はもちろん、碧と由梨にも騎乗依頼が来て朝イチから4人が盛り上がる。

碧が騎乗するのはサンレパードと言う馬。
吉岡駿太が代表を務めるサンシャインホースクラブの所有馬だ。
つまり、樹里の婚約者である彼の意向で碧に騎乗依頼が来た訳である。
そして同じ地方競馬所属の由梨は、ブライトアウェイに騎乗する。
これは彼女の所属する川崎のオーナーのつてのようだ。
つまり二人ともちょっとしたご褒美のようなものだった。

「まずはこのレースで前哨戦を盛り上げていこうね!」
「そうね、みんな素質馬だから楽しみよね!」

舞は自厩舎の素質馬シルヴァーアッシュ、美月は先輩騎手の乗り替わりでグリーンラグーンに乗るが、どちらもこんな所でくすぶっていい筈は無い素質馬だ。

中山競馬場のダートコースは地方競馬並みに短い308m。
しかし直線での高低差が4m半もある坂のコースだ。
ダート1800mは直線の基点辺りから始まり、コースを一周ちょっとするレースである。

主要4場と呼ばれる競馬場のひとつ、中山のダートのメインでもある条件だが古馬のコースレコードが30年以上破られていないという不思議なコースでもある。

単勝人気は女性騎手4人で上位を占める格好。
実績と血統から見たら当然であるが、碧のサンレパードと舞のシルヴァーアッシュはこれが初ダートだ。

「手のかからない馬だからテン乗りでも心配いらない。出たなりで、どこからでも競馬できるから、あとはダート適性があるかどうかだね」
とはサンレパードを管理する調教師、森本茂の言葉。

調教師の言葉を思いだしながら、碧は本馬場に入る。
中山競馬場のダートの感触は確認済みだ。
実は早朝に由梨と確認に言っている。
まぁ、どんな競馬場でも初めて乗る時はランニングしながら確認する癖をつけているから日課なのだが、今回は由梨と一緒にやろうと言う事になった。
それに何故か美月が同行を申し出て、更にここが主戦場の筈の舞まで付いてくる。
と言う訳で、早朝の中山競馬場で女子4人揃ってのランニングとなったのである。

自分の足で確かめてから、レースに挑む。
見た感じ中山競馬場のダートは地方競馬に比べるとしっとりしていて時計が出やすいみたいだ。
地方でも特に碧のホームグランドの豆州湊のパサパサ具合は酷く、重くなると泥んこ。
あのタフなコースに比べると、中山の砂はお上品だ。

初ダートでもそこまで苦にならないと思いながら、サンレパードをダートに入れた碧の顔が緩む。
これは当たりだ・・・
この子は、ダート適正は高い。
むしろタフなコース向きかもしれないのだ。

返し馬の最中、同じく初ダートの舞の騎乗馬、シルヴァーアッシュの方を見る。
あちらはサンレパード以上に馬格がある。
確かアメリカ生まれだと聞いたからダート適正はあるはずだ。
そして、自分と同じように舞の顔もちょっとだらしなくにやけている。

いよいよレーススタート。
G1がメインに組まれていることもあり観客はいつもの朝一より多い。

サンレパードは好スタートを切った。
砂をかぶって嫌がるのは避けたいので、なるべくいいポジションを取りたい。

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