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アイドルジョッキーの歩む道は
官能リレー小説 - スポーツ

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アイドルジョッキーの歩む道は 44

翌日、大井競馬場。
ヤングジョッキーズシリーズの最終ラウンドが2レース、さらにメインは南関のグレードレース。

「あああ…諸澄さん結婚しちゃうのかぁ…」
「愛さん落ち込み過ぎです、向こうのみんなそうなんですか?」

真奈美・亜沙美の星野姉妹が帰省したということで、代理でバレットを務める唐沢愛。
黒崎厩舎の中では新しい方のスタッフで、碧の1つ年上だ。

彼女の本職は厩務員だが、碧の為ならバレットぐらい買って出てくれる。
地方競馬の騎手は厩舎所属で、厩舎のスタッフとしての位置付けとなっている。
なので一部の一流を覗いては、厩務員の方がある意味立場が上だから、厩務員が騎手の世話をする事は余りない。
由梨なんかは厩舎で下っぱ扱いだが、まだやさしくはされてる方。
だが、バレットなんかはいない。

舞は兄の七光りと言うか、一流厩舎所属だからかバレットはいるし、美月は母親がバレットしてくれてるらしい。
それでも厩舎全員からお姫様扱いされている碧は特別なのかもしれない。

「そう言う所も碧に負けたくないのよね」

羨みはするが、だからと言って嫉妬は多少程度だ。
それより純粋に碧と勝負したい。

そして第1レースは由梨は2番人気の馬を引き当てた。
1番人気は美月が引き、碧は7番人気、舞は10番人気と下位を引いてしまっている。

「いやぁ、これはもらいましたな」
由梨はホクホク顔。

「まだまだわかんないっすよ」
舞はニヤリと笑う。決して虚勢なんかではない。

「大丈夫かなぁ…」
逆に美月は不安そうだ。

「さて…集中集中、っと…んん」
碧は騎乗馬の近走成績を見直す。
もとは中央の500万下で走っていた馬で、長期休養を挟んで大井に移籍してきたようだ。

見た感じ、人気薄の割には悪くはない。
これなら一応勝負にはなりそうだった。

そんな感じで第1レース。
勝ったのは由梨で2着は美月と人気通り。
だが、4着に碧、5着に舞と下位人気勢も大健闘していた。
これで由梨が30P、美月が20P、碧が12P、舞が10Pとなった。


そして第2レース。
こんどは舞が1番人気。碧が5番人気、美月が6番人気、由梨に至っては12番人気だった。
そしてレース結果は碧が怒涛の追い込みを見せて1着、舞が競り負けの2着。
そして美月が大健闘の3着に入り、由梨は7着。

これで碧が42P、由梨は36P、舞は30P、美月が35Pと女子全員が高得点で一日目を終えたのだ。
明日は中山競馬場に場所を移しての戦いとなる。

中山競馬場ではそれだけではない、碧にとって大一番を迎える。
新設2歳G1、ホープフルステークスがおこなわれる。
芝2000m、来春の牡馬クラシック第1戦皐月賞と同じ舞台。
ジェイエクスプレスで挑むのだ。

ライバルと意識するヴィングトールが回避。
だからこそ勝っておきたいという気持ちもある。

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