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アイドルジョッキーの歩む道は
官能リレー小説 - スポーツ

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アイドルジョッキーの歩む道は 43

「美月ちゃんもヤングジョッキーに選ばれてたよね?」
「はい、最終戦で選ばれたんですよ!・・・もうそろそろ来ると思うんですけど」

地方は女性騎手多い方だが、実は碧と由梨の3年目が1番若い。
つまり彼女達より年下の女性騎手は地方にはおらず、中央の舞と美月が彼女達より若手だった。
逆に中央は女性騎手がいなくなっていたから、舞と美月が何をするにも話題になってしまっている。

しかも、その話題の殆どは兄があの諸澄巧だけに舞が目立つ。
しかし、容姿で言うと舞も美少女なのだが、美月はそれを上回る愛くるしさで一部熱狂的なファンがいるらしい。

「しかし、美月ちゃんも比較対象が舞ちゃんだから大変よねえ・・・私も何かと碧と比較されたから気持ちは分かるわ」

由梨がしみじみとそう言う。
美月はここまで8勝。
舞と比べるべくもないが、新人としてはそこそこの成績だ。
新人時代になかなか勝てず、今年夏からようやくブレイクした由梨はシンパシー感じてるようだ。

「由梨は馬への当たりが優しくて、私よりも人馬一体、って感じがするんです。私は教官に怒られっぱなしだったけど、美月が怒られるのは見たことないんで」
「舞ちゃんには舞ちゃんの、美月ちゃんには美月ちゃんの良さがあるのよね」

「そういえば一度府中で乗ったとき、美月ちゃんの馬が4コーナーまで先頭に立ってて、平場なのにG1みたいな声援だったな…」

美月は兎に角、一部熱狂的なファンに支えられてると言っていいかもしれない。
何と言うか、関係者やよく見てるファンは舞の評価が高い。
諸澄巧の妹と言うだけでなく、技術やセンスは兄に匹敵するからだ。
競馬学校で怒られていたのも期待の裏返しだろう。
碧と由梨の時も碧の方が怒られていた気がする。

そんな話をしていると、美月がやってきた。
今日も可愛らしい服にぱっちりとしたメイク。
誰がどう見ても可愛らしい女の子してるのが堀江美月と言う子だった。

「遅かったね、美月」
「遅れてすいません・・・新幹線乗るまでにドタバタしてしまって・・・」

謝る所じゃないのに謝ってしまう。
碧の横で由梨が『ええ子やなぁ』と普段使わない怪しい関西弁で言うが、それは彼女だけでなく全員の感想だ。
健気に頑張る可愛い女子。
それが熱狂的なファンを生んでるのだろう。

「今日も美月が可愛くてお嫁さんにしたいー」
「私も舞にお婿さんになって欲しいー」

何か仲が良くて碧も自分と茜の関係を見てるようで微笑ましい。

因みに碧と由梨の関係は、男友達的なノリがある。
女性騎手集めた女子会的な飲み会で碧と由梨で盛り上げ約を買って出て、二人して騒いだり悪戯したり・・・
二人で忍に悪戯し過ぎて、あとで正座で怒られる等、小学生男児のような行動をしばしばしたりする。
そんな事ができる貴重な友達と言うのが碧と由梨の関係である。
そして、友人でありライバルでもあるのだ。

「今回はさあ・・・」

4人揃った所で由梨が改まった感じで言う。

「私達の為のシリーズなんだよ」
「うん、言われてみなくてもそうね」

くしくもヤングジョッキーシリーズには4人の女性騎手がエントリーされているし、それぞれが話題の騎手だ。

「だから、上位4人は私達で独占する」
「男子は混ぜてやらないのね」
「合コンじゃなくて女子会っすね!」
「私・・・大丈夫かなぁ・・・」

恐らく由梨は秘めた思いだったのだろう。
碧はそこまで考えてなかったが、上位4人を女子だけで埋めるのは素晴らしい事だった。
それに可能だろう。

「1位はあたしが貰うから後は好きに分けて」
「甘いわ、碧・・・碧にだけは負けてやる気はないから!」
「はいはいお二人さん、この諸澄舞さんか1位になるからお二人は存分に争ってくださいな」
「「なにおぅ!」」

キャッキャとじゃれ合う3人と、ちょっと困り顔の美月。
その美月の様子を見た舞が彼女の手をしっかりと掴む。

「私は美月と勝負したい・・・だから死ぬ気でついてきて!」
「うん・・・それ、プロポーズかな」
「そうだよ!、結婚しよう!!」

そんな様子を微笑ましく見る碧と由梨。

「若いっていいねぇ」
「いつからばあさんになったのよ」

そう言いつつ碧は考える。
いつかこの4人でG1を争える日がくればいいかなと。

「いつか、東京大賞典で4人で争いたいね」
「私達的にはそうね」

由梨も同じ事を考えていたようだ。
このヤングジョッキーシリーズはその手始めなのだろう。

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