アイドルジョッキーの歩む道は 36
ヤングジョッキーシリーズ・・・
これは今年から開催された地方と中央の見習騎手によるシリーズ競争である。
ただ、豆州湊競馬場には見習騎手と言う制度はなく、デビュー年月関係無く100勝以下は減量措置と言うシステムになっていた。
その為に主催者との協議でデビュー3年以内ならよいと言う事になり碧も対象となった。
しかし、デビュー3年以内で他の見習騎手達と同年代なのだが、勝利数は圧倒的に碧が多い。
その為、トライアルラウンドは楽々一位通過していた。
「碧ちゃんなら余裕でしょ」
「逆にプレッシャーですよ・・・」
口がさっきから重いのは、勝って当然的な雰囲気があるからだ。
デビュー3年以内と言う豆州湊の取り決めも、碧を出す為の措置だろう。
はっきり言って無駄にプレッシャーだけかかってくる。
しかも年末最終週は変則開催で、昼間とナイターとの強行軍もせねばならない。
リーディングもかかってるし、ちょっと気が重い。
地元に期待馬が多いし、さらに中央参戦もある。
これまでの2年とは全く違う年末が待っているのに不安しかない。
碧に初めての重圧が訪れた。
「これをうまく乗り越えれば、アイドルからトップジョッキーになるチャンスなんだ」
「まあ…そうですよね」
「そんなシケた顔しないのー。碧ちゃんにはホントに頑張ってほしいから…今夜2人で飲む?」
「あっ、茜も連れてきていいですか?」
「あら、茜ちゃんならオッケーよ」
軽いやり取りをして碧は茜に声をかけようと厩舎に入って行ったのだ。
そしてその晩・・・
居酒屋で飲んだ後、一人暮らしの瑞穂の家で宅飲み。
碧も成人してからは外泊も認めて貰えるようになったので、こうやってちょいちょいお邪魔していた。
「あかねぇ・・・すきぃ・・・」
「はいはい、好きだから、好きだから」
色っぽい声で絡む碧は割といつもの事。
茜は強いのか頬を染める程度。
瑞穂は美少女二人が絡むのを見ながら目をキラキラさせていた。
「ほんとにぃ?・・・好きなのぉ?・・・」
茜の頬にキスしながら胸まで服を捲り上げる。
そして露になったブラの上から美乳を揉む。
「いつも言ってるでしょ・・・私が好きなのは碧だけだって・・・」
「じゃあ・・・あたしのぉ、旦那と結婚して赤ちゃん一緒に生んでくれるぅ?」
とんでもない事を言い出すが、これも酔ったらいつもの事だ。
酔ってなくても碧の貞操観念は少しおかしい。
「重婚とか・・・アラブの王様じゃないと無理じゃないかしら・・・」
「ああ、それいいですね・・・馬一杯持ってそうだし」
瑞穂とそう会話する茜も似たり寄ったりだ。
碧と茜、同じ男と結婚し、同じ時期に赤ちゃんを生む・・・
小さい頃にそんな風に誓って今もそう思ってたりする。
茜も自分が男なら碧と沢山子作りできたのにと思うが、それが無理なのは分かっている。
そうこうしてるうちに、碧が茜の服を剥ぎ取ろうとしてくる。
「もうっ、エッチなんだからぁ・・・」
「だってぇ・・・茜はあたしの嫁なんだからぁ・・・」
そう言って亜沙美も襲ったりするから、この辺りの言葉は要注意である。
瑞穂の続きを期待してキラキラ光る目を見ながら、茜はちょっとため息を混じらせた。
因みに碧は既に『暑い』と言って下着姿だ。
公の酒席だと飲む量を自制するが、気のおけない仲となると、とたんに気を抜いてしまう。
その辺りが可愛いと言われるのだが。
そんな可愛い…ところも持つ碧だが、同じような言葉で厩舎の女性スタッフを次々食べてしまうような女たらしたる側面も持っていたりする…。この茜のように。
「あ、あんっ、ちょっと碧…瑞穂さんにそんなとこ見られちゃ、ンッ」
「んふふ…茜ったら可愛い…」
「あっ、んっ、やっ」
茜のショートパンツを下ろしてしまう碧。
「瑞穂さんもなんとか、あんっ」
「うふふ、どうぞごゆっくり♪」