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異世界でハーレム生活希望します
官能リレー小説 - ハーレム

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異世界でハーレム生活希望します 10

「彼の心の傷を少しでも理解して、肌をふれあうことで彼が憎しみをひとときでも忘れ、わずかでも癒すことができたらと、私は考えた」
「わたしの考えが浅はかでした、お師匠様」
俺、そんな復讐の鬼みたいじゃないぞ。
あくまで妄想で、本気にされても困る。
リゼットとの約束を破って先に手を出そうとしたのを、カロリーナが、うまく俺を脚色してこまかしたとしか思えないんだが……。
「ファリエールさんをそんなに恨んでいると、わたし、思っていませんでした。そうですよね、普通は殺されたら生き返りませんけど、生き返ったら恨みますよね」
「でも、リゼット。私たちのご主人様は優しいから、復讐で殺そうとは考えないで、愛そうと考えている。嫁として迎えようと。これは許すよりもすごいことではないか?」
いや、ただ俺はファリエールが美人なんで、犯したいと妄想しただけだから。
リゼットが「さすがわたしたちのご主人様、尊敬します」と俺を見つめて言った。
リゼットは、俺に対してへんな誤解をしている。好きでもない相手に犯されるほうが、死ぬよりも嫌だと思うぞ。
この時に俺はまだ、カロリーナが「復讐で殺そうとは考えずに」と言った意味がわかっていなかった。
まだ城の謁見の間と地下牢や裏庭、リゼットの教会とカロリーナの塔しか、この世界で行っていなかった。
リゼットとカロリーナ、あと女騎士ファリエールと、モブキャラで顔つきや体つきまで似ている衛兵たち。
この世界に来て、俺が会った人の数はまだ少なかった。
ゲームの世界の設定に似ているが、モンスターもおらず、大きな戦争も長い期間のあいだ発生していない。病気や負傷は回復の魔法で治癒できる。
それなのに、世界に人があふれかえっていない理由を、俺はまったく想像していなかった。それは、この世界で俺が特別な覇王として優遇される事情に、とても深く関わることなのだった。
カロリーナの言う「復讐」は俺が思っていたこと、単純にパートナーではない、不本意な相手から性欲のはけ口として犯される精神的苦痛ではなかった。
主人と奴隷の契約は、それまで誰と契約を結んでいようと覇王と性交することで無効化される。覇王はこの世界でただ一人の特別な存在。この世界の誰と、たとえば女王と契約を結んでいたとしても、覇王との契約が優先される。
聖騎士となるとき女王と契約を結んでいるファリエールでも、その例外ではない。
覇王の花嫁として覇王が承認しなければ、聖騎士として与えられた力だけでなく権利まで喪失することになる。

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