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異世界でハーレム生活希望します
官能リレー小説 - ハーレム

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異世界でハーレム生活希望します 9

朝食を二人で食べ終えると、教会からリゼットは城下町へ仕事に出かけて行く。早ければ昼前に、遅くても暮れ時には帰ってくる。夜になることはない。
俺は留守番をしている。ニートの自宅警備員っぽいが、気にしたら負けだ。下手に街に出かけて行き、死んだはずの俺が生きていると、女騎士ファリエールに情報が伝わればめんどうなことになるから。
働きたくないわけじゃないぞ、たぶん。
俺はコンビニのバイト店員だったんだが、バイト先の店長は俺が失踪して、ぼやきながらかわりにシフトに入っているだろうな、とか、近くの大学の女子大生とかおれのかわりに採用されて働いてるかな、とか、礼拝堂でとりとめもなく、ぼんやり考えながらすごしていた。
ひますぎて、ひますきて、つらいよおおぉっ。
働かなくても問題なし、そして衣食住が保証されている。そんな状況が何日も続くと、じわじわと妄想の時間がふえていく。俺を殺した女騎士ファリエールがごめんなさいって言って泣いて謝るぐらい犯しまくってみたい。そんな妄想がふくらんでいく。賢者の石の副作用で俺が勃起しているとリゼットは思っているだろうが、脳内では、たとえば女騎士恥辱の罠と頭の中でタイトルがついたエロアニメ風な妄想が止まらないから、勃起している。
「熱はないようですね、大丈夫ですか?」
リゼットが俺のひたいに手をあてる。
「いや、ちょっとぼーっとしてただけだから」
夕食後はリゼットが一日何をしていて、街で聞いたうわさ話や街の人たちのことを話してくれる。
それを聞いている途中でも、つい女騎士ファリエールのことを考えて、というか妄想していた。
リゼットにはごまかしきれても、大人の女カロリーナにはそうはいかなかった。
そっちゅう俺がぼーっとしてたり、いちおうひとつのベッドで一緒に寝ているリゼットに隠れて、そおっと夜中にトイレでしこしこしに行こうとベッドから抜け出したところで発見されたりしたので、俺の健康が心配になったリゼットが、カロリーナに相談した。
「我慢せずにリゼットを利用するぐらいな気持ちでわりきってすっきりさせてもらうか、私のところに泊まりに来ればよいものを。ばか正直というか、律儀というか」
リゼットにカロリーナが用事を頼み、席を外したところで二人で話している。
それはあまりにも失礼な気もするし、他の女のことを考えてムラムラしながら、リゼットが言うところのご奉仕を受けているとバレたら、絶対にすねる。
「頭の中で何を考えているかなんて、それこそ別の女の名前でも真っ最中に君が口にしたりしなければわからない。それに私なら、もしも女騎士ファリエールと君がやったときになんだカロリーナとするほうが気持ち良かったなと思うぐらい、搾り取ってあげるから問題ない」
むかいの席から俺のとなりにカロリーナは移動してくると体を密着させて、耳元に顔を近づけてきた。
「私の胸を揉んでみるか、なかなかの揉み心地なはずだ。ふふふ、緊張しているのか?」
そのときガチャッと扉を開けてリゼットが戻ってきた。
「お師匠様、あの、研究書と石板はこれで……えええぇっ!」
床に抱えてきた分厚い本と石板が音を立てて落ちた。
「いや、リゼット、これは、その、話せばわかる!」
俺はこの場をなんとか取りつくろうために、動転しながらもソファーから立ちあがり、リゼットに声をかけた。キッとリゼットが俺ではなく、カロリーナをにらみつけた。その握りこんだ手は震えていた。
「お師匠様、わたしが純潔を奪ってもらうまでは、彼に手を出さない約束だったじゃないですかっ!」
リゼットが泣き出すかなと、俺は思った。
「研究書も石板もいらない。彼がぼんやりしている原因がわかった」
平然と、何事もなかったかのようにカロリーナは言って、もともといた俺のむかい側のソファーに座り直した。
リゼットは落とした書物と石板を黙って拾い、俺とカロリーナの間のテーブルの上に丁寧に積み重ねた。
なんか、乱暴に置かれるよりこわいぞ。
リゼットは俺の隣に腰を下ろした。もちろん笑顔はない。
「リゼットに話してもかまわないな」
「あ、はい」
カロリーナは俺が女騎士とのやらしいあれやこれやを妄想していることで、いわゆる欲求不満になっていること、そんなことを考えたまま、リゼットとまじわるのは悪いと
「深刻に悩んでいるというわけだ」
「それで元気がなかったんですね」
処刑され死と直面した恐怖で、蘇生しても心に深い傷を負わされ、憎しみに身をゆだねて復讐を考えてしまう、他人を許すことのなかなかできない罪深さを一人で悩みながら抱えている、かわいそうな男。
そんな感じにカロリーナは説明した。
それを聞いてリゼットが同情したらしく涙ぐむ。

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