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異世界でハーレム生活希望します
官能リレー小説 - ハーレム

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異世界でハーレム生活希望します 1

三日前に俺はこの世界にやって来た。正確にはやって来たというよりも、拉致されたというほうが近いが……。
「なぜ城に侵入した?」
「お前は何者だ?」
「わけがわからないことばかり言って、ごまかそうとしても許されると思うな!」
「こやつを牢屋に戻しておけ。また明日取り調べる」
俺はバイトの休日に、金欠でアパートの携帯ゲーム(アダルト指定)をしてだらだらと暇つぶしをしていた。やっぱ無課金じゃ無理じゃんか、と思いながら。
どうにか半獣人の美少女の敵キャラとの戦闘にギリギリで勝ち、Hシーンをゲット。部屋着のジャージのズボンとパンツを下げて、一発抜こうと、目を閉じて、はあはあしこしこしていたら、城の謁見の間にいた。
それをずっと取り調べをしている制服姿の女騎士に、何度も説明し続けているわけだ。
「またパンとリンゴか。飽きたな、さすがに」
つい、ひとりごとをもらしてぼやきながら、薄暗い牢屋で紫色だがリンゴのような果実と、コッペパンのようなパンを食べた。
ゲームの世界に勇者が転生して、世界征服を企む敵とモンスターを討伐するとか、今どきのゲームではありえない設定かもしれないが、実際にオナニー射精寸前でゲームの世界に、フルチンのまま謁見の間に出現した俺は、城のモブキャラの兵士に捕らえられてしまった。
取り調べの会話のやりとりで、王城の謁見の間に現れたことがわかった。俺を取り調べをしている若い女騎士の名前が、王家直属の親衛隊の「なんだと、お前、ファリエール様を知らないだと?」と牢屋の見張りの兵士が言ったのでわかった。
ファリエールは王国で、若く美人な有名人らしい。
それだけだ。すごい魔力を秘めた剣やら、異様なほどの戦闘力もなく、部屋着のまま、電源の入らなくなったスマホだけ持って(ファリエールによってスマホは没収済)ゲームの世界に放り出されてしまった。
それでも俺は絶望したりはしなかった。
まあ、これもイベントなんだろうと、四日目もファリエールの美人な顔立ちやそれなりにある胸のふくらみをにやにやとエロい想像をしながらながめつつ、取り調べを受け続けた。
五日目、俺は見慣れてきた取り調べ室ではなく、牢屋を出るとすぐ目隠しをされて、城の裏庭に連れ出された。
目隠しを外されて俺が見たのは、ファリエールの取り調べのときには持っていなかった細身の剣だった。
「処刑される前に言っておきたいことはあるか?」
「処刑って、お前、まじか?」
ファリエールが剣を薙ぎ払うと、俺はもう喉を斬られて声を出せず、地面に倒れた。そんなばかな、こんなことあるはずねえよ、くそっ、痛え、痛え、痛え、痛え……。
出血は手で押さえても止まらない。目の前が暗くなった。
薄れゆく意識のなかで、死の恐怖を実感している時間。襲ってくる寒気。俺は死まで時間をやたらと長く感じた。

「さあ、早く生き返って下さーい、わたしの声は聞こえてますかぁ」
甘ったるい声で俺は話しかけられ、頬を軽くぴたぴたと叩かれていた。うっせぇな、あと五分だけ……と考えたあとで俺は処刑された恐怖を思い出し、ベッドでがばっと起き上がった。
「まったくもう、本当に死んじゃったかと思ったじゃないですかぁ。傷はふさいでおきましたよぉ」
寝室のベッドのそばで、目を細めてにこにこと微笑を浮かべているのは、容姿はまだ少女に見える女僧侶だった。
俺は全裸な上に、なぜか勃起していて、あわててベッドで謎の女僧侶に背をむけて寝そべって隠す。
「恥ずかしがらなくても、それは生きてる証みたいなものじゃないですかぁ」
「とにかく俺の服は?」
「お城から棺に入れられて運ばれてきたときは裸でしたけど、そうですねぇ、用意しておくのを忘れてました。でも、蘇生の魔法はたいへんなんですよぉ」
棺、蘇生の魔法、そして指先でさわってわかる喉の傷痕。女騎士ファリエールにあっさりと処刑されたのは夢ではなかったようだ。
「と、とにかく、何か着るものを……」
「わかりました。ちょっと街まで行って服は買ってきますから、逃げたりしないで待ってて下さいねぇ。あと、勃起を何とかしようと勝手に自慰して射精しないで下さいよ。まだ生き返ったばかりですから、無理したら死んじゃいますからねっ!」
なんで一発ぬいて勃起をおさめようと俺が考えているのかわかったのかはわからないが、出したら死ぬと脅かされて「わかったよ」と返事するしかなかった。

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