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下宿少女
官能リレー小説 - ハーレム

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下宿少女 14


「いや〜…いいお湯だねぇ〜」

「なあ、千夏…」

「なに?どうかした?」

「何でお前はこんなにも、なんて言うか…俺にこういうことをするんだ?」

千夏は俺に背を向けているため、その表情は伺えない。
しかし、俺の足に挟まれた小さな体がビクッと震えたような気がした。

「………やっぱり、覚えてないんだね。」

「え…?もしかして、俺たちってどこかで会ったことがあるのか…?」

「さぁ?どーだろうね?」

千夏の寂しそうな声が浴室に響く。
俺の心は罪悪感でいっぱいになっていた。
こんな声を聞くために、俺はこの場にいるんじゃない。
この子にはこんなに寂しそうな声を出して欲しくない。

「ま、今はどーでもいいんじゃない?」

そう言った千夏の声は、またいつもの調子に戻っていた。
ここで千夏に、俺との関係を聞くのは簡単だろう。
しかし、何となくだけど、それは違うと思った。
自分の力で思い出すべきことだと思った。

「ごめん…今は俺には思い出せないみたいだ。」

「しょうがないよ。ゆうのせいじゃない。そもそも、そこまで長く一緒にいたわけじゃないしね。」
「それでも!!!いつか絶対思い出すから…それまで待っててくれ。」

「…うん!!!」

振り向いた千夏の顔はいつもの笑顔だった。
そのことにとりあえずは安堵し、同時に絶対に思い出すと心に決めた俺なのだった。


「………ふ〜ん、これが男の人の、おちん…」

「言わせねえよ!!?どこ見てんだこの馬鹿ッ!!!!!」

コイツといるとかっこよく終われないのが普通らしい………

…秋穂の場合…

入学式から数日後の放課後。
俺は現在、一人で下校していた。
本来なら小春や千夏と一緒に帰るところなのだが、彼女たちは委員会に入ってしまい、今日は初めての顔合わせや今後の活動についての打ち合わせがあるらしい。
ちなみに小春が保険委員で千夏が体育委員だ。
本当は終わるまで待っていてもよかったのだが、いつ終わるか分からないので、先に帰って出来る家事をしておいて欲しいらしい。
そんなわけで俺は今、一人で帰路についている。
いつもは隣に誰かがいて話しながら帰っていたから何だか落ち着かないな…
そんなことを考えていると、見知った人物が視界の角に写った。

「あれは…秋穂?」

天野家に住んでいる人間の中で最年少。
何かにつけて俺を罵ってくる、ドS貧にゅ…慎ましい胸をお持ちの秋穂さまである。
キョロキョロと周囲を見回し、他人の家の庭をのぞき込んだりと、いかにも挙動不審だ。
あれでは通報されても文句は言えんぞ…
さすがに同居人が警察にご厄介になるのは目覚めが悪い。
俺は嫌がられるのを承知で秋穂に話しかけることにした。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「…うーん、いませんね…」

「何してるんだ?お前。」

「ひうっ!?」

俺が声をかけた途端、ビクッと震える秋穂。
そこまで驚かなくても…

「…あなたですか、驚かせないでください。」

「そっちが勝手に驚いたんだろ…
で?何してんだ?怪しすぎるぞ、お前。」

「…あなたには関係ありません。」

相変わらずバッサリだな…
しかし、やはり何かありそうだ。
不自然に俺から目をそらしている。

「捜し物か?手伝うぞ?」

「…いいですから、ほっといてください。」

そう言って秋穂は俺に背を向け歩き始める。
どうするかな…

「まあまあ、どうせ帰るところは一緒だろ?付き合うよ。」

「…付いてこないでください。」

秋穂は明らかに嫌そうな目で俺を見つめてくる。
俺のメンタルは先ほどからガンガン削られていくが我慢だ。
少し話してみれば秋穂とも打ち解けられるかもしれない。
せっかく一緒に暮らしているのに嫌われたままでいるのは嫌だからな。

「お前の用の邪魔はしないから。な?いいだろ?」

「…勝手にしてください。」

よし、秋穂お嬢様のお許しゲット!!!
そんな馬鹿なことを考えながら、俺は秋穂と並んで歩いていった。

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