PiPi's World 投稿小説

下宿少女
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 10
 12
の最後へ

下宿少女 12


小春は近くのベンチに座って、ゆっくりと小箱を開ける。
中には小さな十字架のついたネックレスが入っていた。

「俺のセンスで選んだから気に入らないかもしれないし、あまり高価でもないけど、よかったら受け取ってくれ。」

「………」

うっ、何か反応してくれ…
何となく気不味いぞ…

「綺麗……ゆう君!!!ありがとう!!!」

小春にしては大きな声でお礼を言われた。
声の調子から本当に喜んでくれているのが分かる。
それなら俺も買ったかいがあるというものだ。

「着けてみてもいいかな?」

「ああ、いいよ。」

小春はうれしそうにネックレスを身に着けようとするが途中で手が止まる。
どうしたのだろう?

「あのね…せっかくだからゆう君に着けてほしいな…」

俺の方を見上げるようにしてそんなことを言ってくる小春。
すごく可愛い…

「あ、ああ…いいよ。」

俺は小春の望み通り、ネックレスを小春に着けた。
小春は恥ずかしそうに、しかし、とても嬉しそうに振り向いた。

「どう…かな?」

「すごく似合ってるよ。」

俺は率直な感想を述べた。
すると、小春は満面の笑みを浮かべる。

「ありがとう!!!一生大事にするね!!!」

その笑顔が眩しくて、俺はつい目を反らしてしまった。
この幼なじみは数年の間に美しく成長したが、幸せそうな笑顔だけは昔のまま、俺の記憶の底にある笑顔と同じだった…

…千夏の場合…

「ゆう〜お風呂沸いたよ〜」

「わかった。」

小春と出かけた翌日、学校から帰宅して部屋でくつろいでいると千夏がやってきた。
わざわざ風呂が沸いたことを教えに来てくれたらしい。

「でも、俺が先に入ってもいいのか?お前が掃除したんだろ?」

「いいのいいの!!!こっちにもいろいろ計画があるんだから。」

「計画?」

「なんでもな〜い!!!」

コイツ、何かたくらんでやがるな…
千夏は初めてあった日から俺に対してことあるごとにスキンシップを取りたがっている節があった。
今回もロクなことを考えていないに違いない。
しかしまぁ、今問い詰めたところで決して白状することはないのだろう。
釈然としないが俺は早々に諦め、とりあえずは千夏の言う通りに風呂にはいることにした。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ふい〜…」

ああ…生き返る…
やっぱり一番風呂はいい。
何というか、一日の疲れをしっかり落とすことが出来る気がする。

「そろそろ本格的に授業も始まるしな…頑張らないと。」

それにしても…いくらなんでも千夏の俺に対する態度は不自然な気がする。
普通は裸なんて見られたら嫌われてもおかしくは無いはずだ。
それなのに、千夏は俺に対して妙に親しみを込めて接してくるというか…
まぁ、そういう性格だと言われればそれまでなのだが。
ただ、頭の中には微かな違和感があった。
千夏に初めてあったときは、頭がパニックになって分からなかったけれど、微かに記憶の片隅で疼いているものがあった。
それが何かは今の俺には分からないが…
今度、機会があったら千夏に聞いてみようかな…

「ゆう〜湯加減はどう〜?」

ん?この声は千夏か?

「ああ、ちょうどいいよ。てゆーか、全自動なのに湯加減がどうもこうも無いだろ。」

「えへへ…一回言ってみたかったセリフなんだよね〜」

ドアを隔てて千夏と会話する。
なんだかゴソゴソと物音がしているが、洗濯物でもいじっているのか?
何はともあれ、丁度いいタイミングかもしれない。

「なあ、千夏?少し聞きたいことがあるんだが…」

「ん?なに?」

「ああ、少し大切な話だし、顔を見て話したいから、後で千夏の部屋にでも…」

ガチャ…

ガチャ?

「え〜気になるじゃん!!!今話してよ!!!」

「って!!!何してんだお前!!!」

開かれた扉の前には千夏がバスタオルを体に巻き付けた姿で立っていた。

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す