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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 78

(ま、まずいわ!!加奈様がめちゃくちゃ怒ってらっしゃる!!)

加奈の怒りを敏感に察知した美咲は千恵のもとに辿りつくやいなや

「ち、千恵さん!!起きて!!早く起きて!!」

慌てて千恵を起こそうとする。

しかし

「うぅ〜・・・あと五分・・・」

お決まりの文句で睡眠時間の延長を訴える。

その言葉が発せられた瞬間

(ブチッ!)

美咲には加奈の方から堪忍袋の緒が切れる音が聞こえた気がした。

「あわわわわ・・・な、何言ってるの!!ほら、起きて!!」

とうとう美咲は少し乱暴ながらも千恵の布団を剥ぎとってしまう。

すると千恵はようやく観念したのか

「うう〜・・・美咲様、何を・・・」

ゆっくりと起き上がる千恵。しかし美咲はその台詞を遮り

「ち、千恵さん・・・あちらを・・・」

そう言って反対側に目を向けるよう促す。

「ん〜?・・・・・・・」

千恵が目を向ける。しかしそのまましばらく千恵は喋るどころか微動だにしなくなり

「あ・・・あわわわわわわわっ!!! か、かか・・・加奈様?!」

突然飛び起きてベットの上で謝る姿勢に入る。

しかし加奈は

「・・・千恵さん・・・いつまで寝ているつもりだったのですか・・・?」

真顔でそう千恵に問う。その目は座っており、美咲でもここまで怒った加奈はなかなか見たことが無い。

それもそのはず、千恵は加奈の逆鱗に触れる行為を一つだけではなくいくつか犯している。

まず朝起きていなかったこと。

次に部屋が散らかっていたこと。

さらに美咲が起こしたにも関わらず訳の分からない文句を言ったこと。

そして朝の挨拶が無かったこと。

その4つが同時に起こったのである。

千恵は慌てて

「ひぃぃぃぃ!!も、申し訳ございません!!」

深々と頭を下げる。しかし

「・・・聞こえなかったのかしら?私はいつまで寝ているつもりだったのかと聞いたのよ?」

加奈もそう簡単に許すつもりがないようだ。

「そ、それは・・・」

言い淀む千恵。当然だ。言わなければ怒られるであろうが、言える話でも無い。

「・・・では質問を変えます。あなたが今犯した罪は何だと思いますか?考えられる限り言ってください。」

答えられないと分かっていたのか、加奈は質問を変える。

「え、えと・・・朝・・・起きなかったことです・・・」

「・・・それだけ?」

「あ、あとは・・・部屋を片付けていないこと・・・」

千恵は辺りを見回して答える。彼女が考えられるのはそれくらいだ。

しかし

「・・・あとは?」

加奈はさらに続きを求めてくる。

「え、えっと・・・」

しかし千恵には分からない。諦めた千恵は

「わ・・・わかりません・・・」

正直に伝える。

すると加奈は

「そうですか・・・じゃあお教えしましょう。あなたは起こしてくれた美咲さんになんと返事をしましたか?」

「・・・あ。」

自分の犯した罪を理解する千恵。といっても美咲の方も失礼な態度を取られたとはいえ今は加奈の怒りをこれ以上買わないようにするのに必死の様子だ。

「それに・・・あなたは朝起きた時挨拶も無しに目の前の人の名前を呼ぶのですか?」

「あ・・・お、おはようございます!!」

もう一つ見落としていたことを理解する千恵。慌てて挨拶をする。

「ええ。おはようございます。千恵さん・・・」

そう言うと加奈は少し息を吸いこんで

「自覚がなさすぎです!!!」

加奈にしては珍しく少し声を張った。

その声に千恵は完全にすくみ上がり、美咲も息を飲んだ。

さらに

「・・・千恵ちゃ〜ん・・・どうしたの?」

加奈の声に気づいたのか、隣りの亜紀もやってくる。

すると美咲は慌ててこれに対応した。

(あ、亜紀さん!今はまずいわ!大丈夫だから部屋の外で待っててちょうだい!)

小声で亜紀に今部屋に入ることは難しいと伝える。

(そ、そうですか・・・しかし、何があったんですか?)

部屋に入るつもりはないが、何があったのかが気になるらしい。亜紀は美咲に質問した。

(加奈様が千恵さんを怒っていらっしゃるの。私もあそこまで怒った加奈様をなかなか見たこと無いわ。狐太郎様に何かあった時ぐらいかしら・・・)

部屋の中の惨事を伝える美咲。それを聞くと亜紀は

(そ、そうでしたか!では、私は部屋の外で!)

(ええ。ついでに他の人が来たら今は入ってはいけないと伝えてくれるかしら?)

(はい、わかりました。)

そう言って亜紀はそそくさと去っていく。

美咲は一つ溜息をつくと千恵と加奈の方へ改めて向きなおした。

それと同時に

「・・・美咲さん。」

今度は美咲の方を向く加奈。

「は、はいっ!」

「・・・教師長はあなたでしたね?」

「そ・・・そうです。」

今の一言で加奈が何を言おうとしているか大方予想出来てしまった美咲。教師長である自分にも責任があるということであろう。

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