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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 24

「・・・先生。嘘は生徒たちに示しがつきません。その胸に抱いているものを見せてください。」

と言って思いの外素早く回り込む美咲。その動きに驚いた留美は少し反応が遅れ、慌ててまた美咲に背を向ける。

しかし、美咲は留美が大事そうに抱いているものを少し見ることが出来たようで

「えっ?! 耳・・・と、尻尾?」

「!!!!」

しまった!といった顔をする留美。その反応を見て美咲も追い打ちをかける。

「どういうことですか?木崎先生?」


その時

「・・・ねぇ、お姉ちゃん。どういうこと?」

今まで留美の胸に抱かれていた狐太郎が声をあげる。

「え、えぇ?! 『お姉ちゃん』?!」

「ちょ、ちょっとコタちゃん?!」

驚く二人。特に美咲は留美が胸に抱いているものがいきなり声をあげ、しかも「お姉ちゃん」などと言うため驚いていた。

しかし、冷静になった美咲は留美が大事そうに抱いている『何か』が言った「お姉ちゃん」の意味を考える。

そう、それが意味するのは

「え?! ・・・と言うことは・・・」

「??  ねぇ、お姉ちゃん、この人は?」

狐太郎は近くに見知らぬ女性が居るのに今気付いた様子で(どうやら留美の大きな胸にギュッと抱きしめられてたので周りの様子が分からなかったようで)留美に紹介を求めた。

しかし狐太郎の問いに答えたのは留美ではなく

「木崎先生・・・こ、この方が、こ・・・狐太郎様・・・なのですか?」

という美咲の声であった。

狐太郎としては知らない女性が自分のことを知っているのが不思議な様子で

「ふぇ??僕のこと知ってるの??」

と、疑問の声をあげる。

が、しかし次の瞬間狐太郎の顔は恐怖に歪むことになる。


「あああ・・・狐太郎様・・・狐太郎様・・・」

と言いながら心ここに在らずといった様子でゆっくりと近づいてくる美咲。

「?!!  ひ、ひぃ!!」

その不気味さに驚き怖がる狐太郎。

留美は狐太郎のその様子に気づいたのか

「ちょっと、美咲ちゃん!」

と美咲に声をかけ、静止を促す。

しかし

「狐太郎様・・・会いたかった・・・」

留美の声などまるで聞こえて無い様子で、さらに手まで伸ばし、狐太郎に触れようとする。

「お、お姉ちゃん!!助けてぇ!!」

精いっぱいの力を持って留美に抱きつく狐太郎。その耳と尻尾も肩と同じようにプルプルと震えている。

「美咲ちゃん!!美咲ちゃん!!!」

必死に声をかける留美、近づく美咲。


その時

「美咲さん!!おやめなさい!!」

今まで後ろの方で待っていた加奈が、主人のピンチに駆けつけ美咲の腕を取り静止を呼び掛ける。

いきなり腕を掴まれた美咲はさすがに気づき

「!!!   あ、あれ?・・・私・・・」

と、声をあげる。

その言葉を聞いて美咲が正気に戻ったと気づいた留美は

「・・・加奈ちゃん、ちょっとコタちゃんをお願い。私は美咲ちゃんと話をしてくるわ。・・・いいわね?」

「はい、かしこまりました。さぁ、ご主人様・・・」

と言って腕を広げる加奈。

「ううぅ・・・ぐすっ・・・お姉ちゃぁ〜ん・・・」

よっぽど怖かったのだろう。まだ留美の胸の中で震えている。

「大丈夫よ、コタちゃん。お姉ちゃんはちょっと用事があるの。加奈ちゃんに抱っこしてもらって?」

「え・・・お姉ちゃん・・・」

「大丈夫、すぐ戻ってくるから・・・ね?」

「・・・うん。」

狐太郎の了解を得た留美は心底大事そうに加奈に狐太郎を預け

「いいわね、加奈ちゃん。くれぐれもコタちゃんのことよろしくね?」

「はい、この命にかえてもご主人様のことはお守りいたします。」

「ええ。 ・・・さて、美咲ちゃん?」

「はえ??」

今まで何が起こったのか分かっていない様子であった美咲は留美に呼ばれて我に返った。

「・・・こっちにいらっしゃい、美咲ちゃん。」

「え? ・・・は、はい。」

留美に呼ばれてついて行く美咲。

その留美の顔は怒りを抑えるので必死になっていた・・・



「・・・さて、美咲ちゃん。あなた、自分が何をしたか分かってるの?」

「・・・私は・・・狐太郎様がいらっしゃるって分かって・・・それで・・・」

「・・・それで?」

「・・・気がついたら狐太郎様が泣いていらっしゃいました。」

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