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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 195

「・・・加奈、この部屋?」

「はい・・・こちらです。」

屋敷に着いた狐太郎達。

今は加奈が用意した部屋の扉の前である。

屋敷までの道中、里美と美咲、真由の報告を聞きながらここまでやって来た狐太郎。

3人ともよっぽど急いだのか肩で息をしながら結果を報告していた。

そして、今度は加奈が緊張する番である。

(お願いします・・・! どうか、気に入られますように!!)

心の中で何度も祈りながら

「・・・どうぞ。」

ゆっくりと扉を開ける加奈。


その部屋は狐太郎の部屋にほど近く、広さもかなりの物であった。

狐太郎の部屋や留美の部屋と同じぐらいの広さ。確実に加奈や美咲の部屋とは比べ物にならない広さであった。

綺麗に飾られた調度品。中央には大きなベットが鎮座している。

一般的にみたら、とてつもなく豪華な部屋であると言えるが

(お願いしますお願いしますお願いしますぅ!!)

問題は狐太郎が気に入るかどうかだ。

加奈はビクビクしながら狐太郎の返事を待つ。

「・・・ママ?」

狐太郎が明美の方を見上げる。どうやら判断を委ねるようだ。

すると

「・・・すごいわ・・・ここに住むの?」

明美は感心したように溜め息を一つついて狐太郎に話しかける。

「うん。もし嫌ならちょっと待ってくれれば作り直すけど・・・」

「ううん、いいわ。素敵なお部屋じゃない。」

「気に入ってくれた?」

「ええ。とても。」

狐太郎はその返事を聞くと

「・・・加奈。ありがとう。」

加奈の方にニパッと笑顔を向け、お礼を言う。

「は・・・はいぃ!!」

加奈は気に入ってもらえたことに安心して、少し涙ぐみながら頭を下げる。

「加奈さんよね?ありがとう。」

その様子を見て、明美の方からも加奈に礼を言う。

「そんなっ! 私は言われたことをしたまでで・・・」

「うふふっ・・・そう。じゃあ、これからも何かあったら頼んで良いかしら?」

「はいっ!喜んで!!」

そう言って二人は互いに笑顔を見せる。


「・・・そう言えば留美ちゃん。ここの屋敷の人達は全員集まってるのかしら。挨拶をしたいのだけど・・・」

明美は思い出したかのように留美に話しかける。

「ええ。一応食堂の方に集まっているはずです。行きますか?」

「そうね・・・でも、この子が・・・」

明美はすぐにでも挨拶に行きたかったが、狐太郎を連れたままだと挨拶しにくいと思い

「・・・そうだわ。留美ちゃん、この子の部屋に連れて行ってくれる?」

「え?ええ・・・」

先に狐太郎の部屋に向かうことにした。



「・・・こちらです。」

「ありがとう。まぁ、ここも広いのね・・・」

そう言って部屋の中に入っていく明美。

そしてそのままベットのそばに近づくと

「・・・こーちゃん?」

自分の胸元で幸せそうに眼を閉じている狐太郎に話しかける。

「んぇ?なに?」

「悪いけど、ママはみんなとお話があるの。その間お昼寝しててくれる?」

どうやら狐太郎が寝ている間に挨拶を済ませるようだ。

だが

「えっ・・・でも、僕眠くないよ?」

明美に初めて出会った時、眠っていた狐太郎。今はそれほど眠気が無い。

しかし

「うふふ・・・大丈夫よ。ほら・・・」

明美は優しく微笑むと、狐太郎の体をゆっくりと揺らす。

「・・・いい子ね・・・さぁ、おやすみなさい・・・」

背中を優しく叩きながらあやしてやると

「・・・ふぁ・・・う・・・ん・・・」

段々と狐太郎の目がトロンとしてきて

「・・・すー・・・・すー・・・・」

ついには眠ってしまう。

「ふふふっ・・・すぐ戻ってくるからね・・・」

明美は狐太郎をベットに寝かせると

「さぁ、行きましょう。」

後ろで待っている二人に声をかける。


しかし

「「・・・・・・」」

二人は口を開けて呆気に取られていた。

「・・・? どうしたの?」

明美が不思議に思って二人に話しかけると

「・・・ど、どうして・・・」

「あんなに早く・・・」

二人はいまだ信じられないと言った様子でポツリとつぶやく。

その様子を見て

「・・・あぁ。ふふふふっ・・・それも教えてあげるわ。だから行きましょ?」

二人がなにを言いたいかを感じとり、それもまとめて話そうと、二人を食堂に促した。




「・・・これで全員かしら?」

屋敷の者一人一人と軽い挨拶を終えた明美は改めて全員を見回した。

「じゃあ改めて。こーちゃんの母親の明美です。よろしくお願いしますね。」

明美はそう言って頭を下げると、笑顔を見せる。

「普段は自分の部屋に居ると思うわ。何かあったら遠慮せず、誰でもいらしてね。」

狐太郎の部屋は許可が無いと入れない。だが明美の部屋には誰でも入って良いらしい。

「あ、あの〜・・・」

と、その時おずおずと手を挙げる者がいた。

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