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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 132

「・・・今日コタちゃんが学校に行きたいって言ってるの。」

「・・・!!  本当ですか!!」

美咲は驚きながらも嬉しそうに顔をほころばせる。

「ええ・・・でね?いきなり学校に行って生徒達にコタちゃんの姿を見せると・・・」

「あっ・・・」

留美の言葉にハッとした美咲は、留美の胸の中に抱かれている愛しい少年の姿を見た。

「そうなると狐太郎様は・・・」

いきなり大勢の女子達に囲まれてワイワイもてはやされるのである。耐えられるはずがない。

きっと恐れてしまって、最悪泣きだしてしまうかもしれない。

「そう・・・だから、ね?コタちゃんには授業の見学って事で、空いてる先生に別室で授業をしてもらおうと思うんだけど・・・」

「・・・なるほど。」

「コタちゃんにはちょっとずつ学校に慣れていって欲しいから。学校は怖くない場所だって理解してほしいから・・・」

留美はそう言うと抱いている狐太郎の方を見下ろす。

留美の胸の中が安心するのだろうか、目を閉じて甘えている。

「・・・分かりました。少々お待ち下さい。」

美咲は急いで厨房の中に入っていくと

「千恵さん、亜紀さん!!」

屋敷のメイドの教師組を呼び出す。

「・・・はい?」

「どうされましたか、美咲様?」

千恵と亜紀は美咲に連れられるまま

「あ、留美様。」

「・・・? あの・・・?」

留美の前までやってくる。

美咲の意図を理解した留美は

「あなた達に聞きたいんだけど・・・コタちゃんの学年で今日授業が特にない先生って誰かしら・・・」

相変わらず狐太郎に聞こえない程度の声で二人に質問する。

「えっ?」

「・・・と、言いますと?」

突然のことでどういうことか分からない、そういった顔をする二人に

「あのね・・・」

説明を始める留美。



「・・・なるほど・・・」

「それでしたら・・・」

留美の意向を理解した二人は今日の時間割を揃って思い浮かべる。

「・・・あの時間とあの時間は私の授業で・・・」

「えっと・・・」

しばらく考えた後


「「・・・あ」」

二人は同時に声をあげる。

「いたの?誰かしら?」

二人の反応を見て、その内容を聞き出そうとする留美。

「はい・・・家庭科の御榊(ミサカキ)先生なら・・・」

留美の質問に答える亜紀。

「琴音(コトネ)ちゃん?」

「はい。琴音さんなら空いてると思います。」

亜紀は「御榊先生」から、普段呼んでいる「琴音さん」と呼び直す。

「そう。なら琴音ちゃんに伝えてくれるかしら?『今日家庭科準備室に行くから、待っておくように』って。」

「あ、それは私から言っておきます。」

美咲は留美の発言を受けて自分が伝えると名乗りをあげる。

「そうね、教頭であるあなたから言ってもらった方が良いかもしれないわね。じゃあ美咲ちゃん、頼んだわよ?」

「はい。かしこまりました。」

「ええ。じゃああなた達、急いで支度をして頂戴。今日はコタちゃんが学校に行くんだから。」

留美の一声でまたも厨房に戻っていく美咲達。

留美は狐太郎を着替えさせるべく寝室へと戻っていった。




「なんの話をしてたの?お姉ちゃん。」

寝室への移動中、狐太郎が頭をあげて留美に聞く。

「えっ、なんでもないわ。それよりコタちゃん。」

「・・・? なに?」

留美は話を変えて狐太郎に美咲達との会話を遠回しに伝えようとする。

「えっと・・・今日学校に行ったらね、コタちゃんが新しい学校に慣れるように模擬授業を受けてみない?」

「模擬授業?」

「ええ。クラスの皆は居ないけど、準備室で先生と一緒に・・・」

ここで狐太郎が否定したらこの話は全て無しである。

留美は少し緊張しながら狐太郎を見つめる。

「・・・いいけど、なんの教科?」

「家庭科・・・なんだけど・・・」

狐太郎の返事は

「・・・うん。わかったよ。」

どうやらOKらしい。

狐太郎は笑顔で留美に返事をする。

「そう?!じゃあ、そうしましょうか!!」

留美も狐太郎につられて笑顔になり、二人は着替えに向かった。




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