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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 109

「・・・とにかく、加奈に謝らなきゃ。」

悲しみの目を隠した狐太郎は留美に提案する。

「・・・で、でも・・・」

「でもじゃないよ!仲良くしなかったら僕お姉ちゃんの事嫌いになっちゃうからね!」

加奈に謝ろうとしない留美に発破をかけるべく、狐太郎は留美が最も恐れることを口にした。

その途端に

「わ、わかったわ!!謝るから・・・コタちゃん、お姉ちゃんの事嫌いにならないで・・・ねっ?」

謝る決心をつける留美。

こうして留美は狐太郎を抱いて食堂に向かうことにした。

狐太郎の目には悲しみが浮かんでいた。




「・・・加奈ー」

食堂に着いた二人。狐太郎は加奈を呼びながら留美に地面に下ろしてもらう。

すると

「はい、ご主人様。・・・留美様・・・」

食堂の奥から出てきた加奈だが、留美の姿を見て顔を曇らせる。

「・・・何のご用でしょうか。」

少しそっけなく返す加奈。美咲を筆頭に、周りのメイド達も様子を見守っている。

狐太郎は留美から一歩離れると成り行きを見守ることにした。

しかし留美はモジモジとしたまま何も喋ろうとしない。

「・・・留美様、一体・・・」

痺れを切らした加奈が留美に話かける。

すると留美はそれを遮って


「ご、ごめんなさいっ!!」

頭を下げた。

「・・・留美・・・様・・・」

屋敷の主としてのプライドがある留美。しかしその留美が自分に向かって頭を下げている。

そのことにあっけに取られる加奈。

留美は続けて

「・・・あのあと、コタちゃんに怒られたの・・・仲良くしてって・・・」

小さな声で、しかしはっきりと言葉を紡ぐ留美。

加奈はそれを黙って聞くことにする。

「・・・今考えると私、大人げなかった・・・ごめんね、加奈ちゃん・・・」

留美は再度頭を下げる。

辺りは静寂に包まれ、二人の動向を見守るばかり。

すると

「・・・頭をあげてください、留美様・・・」

加奈は留美に一歩近づき、留美に話しかける。

「!!・・・そ、それじゃあ・・・!!」

「ええ。私の方もすぐにへそを曲げてしまって・・・申し訳ございませんでした。」

留美を許すばかりではなく、自分の方も悪かったと謝る加奈。

「そ、そんな!!加奈ちゃんは!!」

「ですので・・・お互い様ということで・・・」

そう言って手を差し延ばす加奈。

留美は少し思案した後

「・・・ありがとう・・・加奈ちゃん・・・」

そう言って加奈と握手を交わした。



狐太郎を含めた周りの人々はホッとした様子でそれを見つめる。

「良かったね、お姉ちゃん。でも、もうケンカしたらダメなんだからね?」

狐太郎は二人に近づくと、留美に向かって釘を刺す。

すると

「!!!  え、ええ・・・ありがとう。コタちゃん。ごめんね?」

留美は初めビクッと肩を縮め、狐太郎に返事をする。

「・・・・・うん。」


狐太郎はその留美の返事を聞いて、また悲しそうな目をする。


「・・・さぁ!加奈ちゃん、ご飯は出来てる?」

「はい、丁度。」

「じゃあご飯にしましょう?コタちゃん?」

留美は切り替えた様子で朝食を取ることを狐太郎に言う。

「・・・うんっ!お姉ちゃん!」

狐太郎は先ほどまでの悲しい目を隠して留美に返事をした。




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