続・花嫁サークル!! 31
この部屋で両手を使えないのはまどか一人だけである。
彼女は、来るべき股縄の試練に向けて愛にみっちり扱かれているのだ。
「違うってば。んんッ、体じゃなくて、あんッ! 腰を動かすのっ。体は勝手に動いてくれるからっ、ぁッ……」
「そんな……難しい……んんッ! あああッ!」
「「あああああッ!」」
まどかと夕貴の嬌声が重なるも、まどかが腰を逃がしたことでローターの押し付け合いが終わってしまい、短い共演に止まってしまった。
「腰を押し付けるだけなんだからもっと頑張って。まどかが『できる』ことを証明しないと『させて』もらえないの」
その言葉がまどかの腰を動かす。
自分が期待に応えられることを身を以て示さなければ、皆のようにもっと深い世界を見せてもらうことが出来ない。
「イけなくてもいい。ご主人様の目に愉しんでもらおうって気持ちと、それに悦んでいる想いが伝われば……ほら、腰をいやらしく動かして? 夕貴が寂しそう……」
「んッく……はぁッ、腰だけを動かすなんて……私今、凄くエロい……いやらしい……はしたない……あうッ!」
「「ひゃあああああッ!」」
「そう! そのままイクまでくっつけて! 腰を踊らせながらくっつけるの! 夕貴っ、お口が休んでるよ!」
愛はローターに気を付けつつも夕貴の顔に陰唇を擦り付け、蜜壺に侵入してきた滑りに腰を震わせた。
彼女は高校の時、トラウマを克服していなかったまどかに性技を教え、ルナや夕貴を責めるうちにタチへ目覚めた一人なのである。
悠の前では、従順に平伏すことへ快感を覚えるマゾであるが、カノトモの中ではお姉様にあたる存在なのである。
しかし裏のカノトモ界の頂点は愛ではない……。
「ふぁ〜……」
里奈は寝付けず、欠伸を繰り返していた。
学内オーディションの出来を思い返すと色々考え込んでしまう。
しかも悠に遊んでもらった時間も少なかったので、疲労で眠り込むこともままならない。
やむなく彼女は部屋を出、突き当たりの階段付近にある冷蔵庫へ向かった。
その時。
「ぁッ……イクッ、――んッ」
「あう――――ううッ、もうダメぇッ……」
そんな声を聞いたのだ。
「お兄様ったら……」
里奈は妖しい微笑を浮かべ、しかしそれは直ぐに消えた。
中央にある階段の踊場に出て耳をそばだててみる。
確かに下からも嬌声が聞こえるものの、上からも響いてくることが解った。
「……ふふっ」
里奈は階段を上がり、大きくなった嬌声の絡み合いに目を細めた。
そのドアの前に立ち、ノックを響かせる。
途端に止んだ声を気にせず、里奈はそのドアを開けた。
「ふふっ……こんばんは」
「「リナっち……」」
そこにいる者は皆全裸。
思い思いに絡み合い、そのままの恰好で固まっている。
ただ、愛の手がぶら下げるローターと双頭バイブのモーター音とが、忘れ去られたように響いていた。
「そんなカッコの時の呼び方が……あったんじゃなくて?」
傍にいた愛の頬を撫でる里奈。
愛はたまらず
「りな、お嬢様……」
と呟いていた。
何を隠そう、担当日でない日に里奈からの責めを欲したのは彼女たち自身。
裏のカノトモ界の頂点に「里奈お嬢様」を君臨させたのである。
「私ね? 眠れないの。ちょっと暇潰しになってもらえないかしら?」
その口調はドMを押さえ込んだものでもドMを解放したものでもない。
そんなお嬢様の口調でネチっと虐められると
「「喜んで……」」
と答えてしまうカノトモ勢なのであった。
そんな女体の絡み合いが繰り広げられようとしている頃、
「あああああううぅぅぅんッ! んッ! んんッ! んぁッ……はああッ……」
四人の中へ二回ずつ吐精した悠は、紗耶にトドメの一発を放ち、後ろへ倒れ込んだのあった。
彼女たちは止まらない痙攣に苛まれながらも、そちらに向きを変えて倒れ込むように寄り添う。
右の腕は純華、左の腕は小春に腕枕にされ、その内側の右の胸板では紗耶が、左の胸板では理央が頬を寄せている。
「気持ちよかった?」
少し身を乗り出した小春は淫蕩の中に柔らかな笑みを浮かべ
「ああ。最高に良かったよ」
と返されると、更にニッコリと笑った。
「これだけ侍らせてたら、はぁっ、当然よね?」
紗耶はいじらしく乳首の辺りに指を這わせながら、やはり嬉しそうに微笑む。
「まだ入ってる感じがするの……ジンジンして、あったかい……」
「理央はまだ足りないのか?」
理央はゆっくり首を振り、悠の顔を見上げる。
「足りることなんてない……理央はずっと悠を求めてるの……応えてくれるって、知ってるから……」
「そ、そうです……」
純華は顔と同じ様に体も悠の方へ向け、微笑む。
「お腹は一杯でも、胸は何時も悠さんを求めてしまうんです……応えてくださる嬉しさをいつも、いつまでも抱かせていただきたいんです……」
「好き?」
紗耶は顔を上げ
「好きだよ、紗耶。大好きだ」
と言われると、うっとりと胸板に顔を寄せる。
「私にも……」
「大好きだよ、小春。お前の全部が、大好きだ」
悠に見つめられ、髪を撫でられ、全身から力が抜け、小春は彼の腕に身を任せるのだった。
「あの……悠さん……」
「純華も大好きだよ。お前の髪の一本一本まで、全部俺のものだ。誰にも渡さない」
「ああ……はい。純華はどこにも行きません……全て、悠さんに捧げます……」
顔を真っ赤にする純華は俯せになり、悠の手に指を絡め付ける。
それをしっかり握り返され、彼女は逆上せそうなほど胸を高鳴らせていた。
「ねーえー、理央は?」
「もちろん、大好きだよ、理央。お前のほっぺは格別だ」
「そこ?」
理央はムッとしつつも胸板に頬を滑らせる。
「冗談だよ。理央のほっぺは他の奴には絶対触らせない。もちろん、ほっぺ以外もだ」
「大丈夫……そんなこと、私がさせないもんっ」
そして彼らは、やがて眠りに落ちていった。