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武は女扱いしてくることと入学式の挨拶に噛みまくっていたことから生徒会長を「噛みカミ会長」と呼んでいた。
「別に会長様と呼べんなんて言わないさ。しかし、教室内はチ○チ○を出すところではないぞ」
生徒会長は苦笑いしながら答えた。
沈着冷静を気取ってるわけではないがいつもニコニコしている。
一度武が徹夜の影響であくびをしてから生徒会長を見つめたとき、涙目の武の顔に生徒会長が真っ赤になったことがあった。
「ときに武君」
「なに?」
武はペニスをしまい、ファスナーを上げる。
「何か体に変わったことないか?」
「何度も聞かれたけど変わったことは無いですよ。一体何なんですか?」
「ん〜、不思議なことがあってね」
生徒会長は自分が掌握してる範囲で生徒の殆どが昨夜、月の近くをかすめた流れ星に武が女にますようにと願いをかけていたと言う。
「君は見なかったのか?」
「ああ、月の近くを流れたのなら見ましたよ」
「何か願いをかけなかったかい?」
「男らしくなれますようにって」
武以外の生徒会長を含む男子が一斉に「もったいない!!!」と叫んだ。
「何が勿体無いってんですか、何が……」
うんざりと息を吐きながら眉間に皺を寄せる武。
その、ふるふると首を振る武の仕草に皆はまた悶絶する。
「君は女になるべきだろッ!? 寧ろならなきゃダ……ぶふぉ!?」
その時、校舎に閃光走る!
目を血走らせて力説する男子を床に叩きつける、武の有無を言わさぬジャーマンスープレックス。
美しいブリッジに、まばらな拍手が巻き起こる。
「俺はオ・ト・コ・ノ・コ! ですからっ」
すくっと起き上がった武は、吐き捨てるようにその場を跡にする。
「あぁっ、武君! どこへ……」
会長の制止に応じる武ではないが、一応答えておいた。
「トイレ。でっかい方」
*トイレ(個室洋式)*
「女になりますように、だって? また厄介な事を……」
便器に座る武は、頬杖つきつつ息を吐いた。
別に用を足そうと思って来た訳ではない。
武の女性化を願う騒ぎは毎度ながらの事、疲れていないと言えば嘘にはなるが。
しかしそれよりも、武には気掛かりな事があったのだ。
「ひょっとしてこれは……まさか、な」
武は、恐る恐る違和感渦巻く股間に手を伸ばす。