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「男だってノ」
武は教室内でファスナーを下ろすとペニスを引っ張り出した。
「デロンって」
「うぉおお!目が腐る!すぐにしまいたまえ!!」
「やめて〜!武のイメージがぁ!」
恥ずかしげもなく教室内で恥部を曝せるのは同性しかいない学園内ならではの行為だが、周りの反応は異性が予想外の行動に対する反応であった。
武はその外見から常に女性であったらという願望の眼差しで見つめられていた。
それからと言う物、トイレで用を足していれば横からのぞき込まれる。
廊下を歩けば男子のねっとりした視線が絡みついて来る。
「お前も?」
「ああ。お前もか」
そんなひそひそとした話し声があちらこちらから聞こえてきた。
教室ではもう、10回以上「体に変化はないの?」と尋ねられ、ついに武は切れた。
武はペンケースをマイクの様に握るとファスナーを降ろしてペニスを引っ張り出すと歌い出す。
「戦艦大和が沈む時〜♪」
「ちょ、やめろ!」
「艦長・山本イソ○クは〜♪」
「それ以上歌うな〜!」
「機械にチ○コを鋏まれて〜!血が出た身が出た骨が出た〜♪」
「武がそんな歌歌うな〜!」
「つーか、聞いてるだけで痛いっての〜!」
武は何かと女の様に見られてきた。
部活では男子高なのに女子用の道具などが用意されていた。
応援団にも入ろうとした。
ブレザーの学校なのに学ラン。武はこれなら男として活動ができると思った。
しかし、用意された学ランは前が締まらないような小柄なものだった。
さらにサラシは腹だけではなく胸にも巻くように指導された。
武は団(部)長に制服を丁寧に返して帰宅部を選択した。
どうあっても女子の様に見られることから武は女性が近くにいたらセクハラになるだろう歌や、自衛隊の宴会芸に使われるようなのを積極的に歌う様になって行った。
武も別に好きで歌ってる訳でもなかった。
そしてハスキーボイスで歌うと男子達はそれを阻止しようとした。
「イメージが崩れる」と。嘆くのだった。
「君達、休み時間だからって声が大き過ぎるぞ」
廊下からドアを開けて三年生が入って来た。
「あ、噛みカミ会長」