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男子校故にゾンザイな警戒装置を潜り抜けた彼等は元の姿…チャラ男、田舎ヤンキー、自主トレ中の運動部、はたまた漫画専門店帰りのヲタク風。
色んな方向性の野郎臭さ全開な夜歩き姿で散っていった…。
そんな秘密結社モドキの暗躍なぞ知る事なく、武は恋愛ゲームに興じていた。
『問おう…貴方が私の間男か…?』
といった具合の団地妻王『セイ婆』の問い掛けに、軒並み意地悪な返答を返し、ことごとく死亡フラグを発生させていた。
どうやらこういうのは向いてないらしい、と武はキーパッドを手放す。
日頃BOOK・○FF系列のリサイクル店で買ってくる…野郎臭いグッズの一つであった。
取り敢えず今日の三馬鹿は上手にスルー出来たと思う。
ヤるからには掘られる覚悟で来い…と言う抑止力の積もりだった。
『残念!フラれたな〜!』
『お前らヲタクなんだからさ?ドージンとやらで女とコネ作れるべ!』
『いや部活とか有利なんじゃね?結構他校と交流試合あるじゃん!』
周囲からもそんなフォローが入ったりもした。
ヤリたいだけなら武だけに拘るな、余所で女を作れ、といったクラス内で武を気遣う少数派意見も出て来た。
単に武のご機嫌伺い、気に入られたい為のポーズ、邪魔者を蹴落とす作戦かも知れない。
『武=女』妄想自体の崩れる気配は薄いが、形だけでも安心感を与えて頂ける姿勢を感謝する事にした。
明確に味方と呼べそうなのは保健室の婆さん、ギリギリでカミカミ委員長、微妙な立ち位置で羽生。
まず羽生は『武=女』派閥の中で比較的扱い易そうな人種として、少々のアコギで味方としたに過ぎない。
カミカミ委員長は今の所無難に大人の対応をしてくれているが、仮に武が男でもプラトニックな何とかで迫って来そうな危うさがある。
一見優男だが制服の下には引き締まった体がある。
もし、本気を出されたら簡単に動きが取れなくなるだろう。
プラトニックラブとか言って抱きしめられたら武は簡単に掴まってしまうだろう。
会長は簡単に“アチラ側”の人間にはならないだろう。もしものことがあったらその手のことから守ってもらおうと思っていたが、油断はできない。
やっぱり自分で自分を守れるようにするのが肝心か。
どしゅっ!
鈍い音がしてPC画面が暗転する。
オートスキップにしてあったカーソルにネガティブなセリフが流れてバッドエンドのスタッフロールが流れた。
武はゲームを終了させると外付けHDDを起動させると隠しフォルダを表示させる。
学校からの課題は精神的な物を考慮してるのかいつもより少ない気がするが全部終わらせて空いた時間を楽しむことにした。
中学生までに自分で集めたりクラスメイトとトレードしたエロ画像が収められている。
殆どが女性しか写っていない。男は写ったとしても一分ぐらいである。