PiPi's World 投稿小説

1対364は>?<?=?
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

の最初へ
 19
 21
の最後へ

1対364は>?<?=? 21

そんな風に考えてる間も、三人は普段通り話しかけて来る。
武は適当な相槌を返しながら彼らの様子を伺っていた。

明らかに普段より余計にシャツをはだけた胸元や身体を傾けた流し目…そして無難に女性ファンの多いアニメの話題。
同級生との雑談というよりも、女生徒を口説くかの様な振舞い。

他のクラスメイトに比べ『武を落とす』という意識の強さが、甘ったるい視線から伝わって来る。

そこで武はちょっとヒネッたカウンターを思い付く。
「ウホ…いい男?」
と呟きながら、三人を舐める様な視線を送ってみた。

三人の表情…ヘンに目を細めた嘘臭い微笑が一瞬崩れた。

「やらないか」

彼らの脳内では社交辞令か、それとも先日の宣言通り『相手』になってくれるサインなのかと、目まぐるしい検索が行われていた。
既に彼等のイケメン気取りは完全崩壊、エッチなお姉サマを目の前にした童貞坊やその物。

そこへ武は肩透かしをかける。
「…ケツの穴、しっかり締めとけよ…。」
相手は相手でもソッチの相手ですか…と三人の表情が完全に凍り付いた。

「アハハ…紫藤…今日の下ネタは一段と冴えてるね…?」

その日、武は一人で帰宅した。

そしてその日の放課後…。すでに日は暮れて職員も殆ど残らない時間になった。

しかし、暗幕を閉じ切り、灯りのない視聴覚室。

「我らは意識を一つにしなくてはならない」

教壇で黒装束に覆われた男が腕を開いて室内に訴えた。

ひな壇状の机に数人の黒装束姿の男が座っていた。

いずれも頭からすっぽりと黒い幕を被っていて誰なのかわからなかった。

「流れ星はいつ来るかわからない。満月の晩とも限らない。今度の新月の可能性もある」
壇上の男が続けると席に着いてる一人が手を上げた。

「それはわかる。今度こそ女になれでは駄目なのか?」

教壇の男は腕を下ろす。

「我ら365名の願いは紫藤君一人の『男らしくなりたい』で完全にはかなわなかった」

室内に呻くような重い呻き声の様な溜息が響いた。

「しかも、その変化に気付いたのは一人だけだった」

「その一人がとんでもないバカだった!」

「確かにバカだ。しかし、そのバカのおかげで我らは真実を知ることができた。我らはそのバカに劣っていたことを自覚せよ」
教壇の男の言葉に怒気に満ちる室内に静けさが戻った。

「しかし、バカ…棚井はどうやって紫藤の部屋に盗聴器を仕掛けたのだ?」

「うむ。私の情報収集によるとどうも紫藤一家が引っ越す前に仕掛けられていたようだ。
空家に誰かが腕試しに仕掛けられたのを偶然棚井がその電波に気付いたようだ。というか、棚井が仕掛けようとしていたらそれに気付いたようだ。今はすでに撤去されている。
本題に戻そう。
いつでもあの叶え星が流れてもみんなの願いを一つにするべくみんなに知恵を出して欲しい」

室内に重苦しい沈黙が走る。

SNSでこの小説を紹介

性転換/フタナリの他のリレー小説

こちらから小説を探す