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「嗅ぎまわったりしなくていい。お前ボロ出しそうだからな。ただ、やばいなってニュースがあったら知らせろ。
そうしたらそのうちまたいい目見させてやっから。
ただ、このこと誰かに言ってみろ。本当に食うぞ」
羽生の顔色がまた蒼くなる。
「勃起したチ○ポを食いちぎって音が鳴るか試してやる」
「あ、あべさだ?」
武はまた肩を組むと空いてる手で羽生の腹を何度も小突いた。
「調子に乗るなよ?誰がお前とそんな仲になった?ん?」
「ご・ごめ・んな・さい!」
こうして武は密偵を一人得た。
羽生を解放するとうがいしなおすが口の中は精液がこびりついてるような感じがして、鼻腔を通った精液の匂いが取れなかった。
さらには自分のチ○チ○は勃起していてアソコは濡れていた。
「ちくしょう…」
面識のない奴に強引にフェラチオをして興奮している自分に毒づきながらすでに授業の始まってる教室に向かった。
腐敗した性欲を具現化するかの様な棚井のモノとは真逆のイメージ、羽生の未熟な性器に対する奇妙な妄想を脳内から掻き消す。
『喰らえ半平太!タマ潰しぃ〜!』
日頃の下ネタと同じノリで選んだ懐アニ着ボイスが、武のポケットから響いた。
勘違いするな?と釘を刺した上で、羽生との連絡の為にアドレス交換していた。
ムダ話の類かと思いきや、彼は『ヤバそうなら』という部分を律義に守ってくれていた様だ。
武のクラスでの要注意人物リスト、幸い噂程度、そして少人数だがやはりゲンナリ来る。
やはりと言うべきか…棚井レベルの妄想家ではないにせよ、日頃から『共学ならオレはモテた』発言を憚らない自信家達。
実際モテるなら中学の時点なり他で何かあるだろ…等々ツッコミ所満載な話である。
羽生に武は『常に俺との送受信内容は直ぐ様消せ』と手短に返信して教室に入った。
その要注意人物三名、同じ中学だった関係で席が近い。
比較的目立たなかった奴ら、ルーチンワーク万歳の義務教育が染み付いた武の母校では、先生方が『地味で真面目な良い子』の一くくりで済ませていたタイプ。
平たく言えばヲタクの部類。
中学までの日陰人生をリセットしたかったのだろう高校デビュー組。
モテ要素として少女漫画で研究したのか…不健康な色白痩身を転用、胸元と腰の括れを意識した制服の着崩し。
武の知る範囲では比較的無害な奴ら、そしてモテ努力は認めてやりたいが、今となっては棚井予備軍。
もしや…棚井もこんな具合で道を誤ったのではないか?
武の中で自身の貞操だけでなく、自分の顔見知りまでがあんな風にはなって欲しくないという願望が芽生えていた。
兎に角、多少の釘を刺しておく必要があった。