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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 100

祖父母の代では炭鉱夫やその家族相手にしていた事もあり床屋も併設、時代が移ろい炭鉱閉山やら父親が美容師になり母親も美容師、更に叔父が独立し市内に床屋を開業と言う子で美容院へとシフトした。しかし昭和後期とは言え店舗は老朽化が激しく商店街にある好立地は同時に同業者の進出し、大規模火災のリスクも幾度か直面した。ただ自宅近くに複数の新興住宅地が出来ており新たな商業区画を設ける話が出て来た。蔦子と夫の郷も魅力があったが資金面を考えると二の足を踏んでいたが“コンテナハウス”を教えたのが日菜子の夫である、二人が交際したのを初めて知ったのも蔦子だ。
「日菜子さん、この方は?」
「玲、ほらリーナとは幼馴染で私の次男坊……今は長女になってけどね」
京子は中学一年生なのでこの事が何を意味するか知っていた、が夏用ブラウスを大いに隆起しボタンが飛びそうな胸に唖然とする。因みに彼女は平均的なサイズである。
「……京子、このサイズになると下着が限られるわね」
「えっ……そうなんだ」
「それに、本家の子は第二次性徴異常症の一つである“豊胸症”を中学生の時に発症しているからね」
思えば仁の娘らも中々のサイズ、日菜子は苦笑するしかない。

「みーちゃん、シャンプーお願いね〜」
「はい店長」
みーちゃんの事、猪神 観鈴が頷く、ロングヘアで茶目っ気がある女性だ。蔦子が世話になった美容専門学校を卒業しヘアサロンをチェーン展開している大手に就職、所が数ヶ月後社長が夜逃げした事でヘアサロンチェーンに経営危機が発覚、遺された面々も資金面が確保できないとして倒産。観鈴も途方に暮れたが美容専門学校の仲介で蔦子の所の美容院を紹介された、東京を離れる事になるが郊外都市でも家賃も高さに辟易していた所で三沢市の環境や家賃を知った時には飛びついた。
「スラックスか〜私も履いていたな〜」
「はい?」
「私ね、高校生に時に変性症を発症したから。それで高校も転校する必要があるのかなぁ〜って思っていたら高校側、露骨に転校阻止だったからね」
これは直前変性症により女性になった方への支援が全くされてない事で国連からの非難決議が出たのも大きく戸籍変更と改名がすんなり受理、観鈴はこの時から改名された名だ。高校側も体制を整えており検討中の女子学生用スラックスを用意してくれた。これにはスカートに戸惑っていた当時の自分には気が楽になったと言う。
「髪の毛ほったらかししていたらさ、同級生に親が美容院勤めが居たから連れていかれて……」

観鈴の毛先に枝毛を見つけた途端にグイっと来て放課後に……チーフを務める母親も娘の行動力に呆れたが観鈴の状況を見て察して手入れをしてくれたのである。観鈴の母親はキャリアウーマンで中々休暇が取れない職と立場で観鈴の戸籍の性別変更を初めとする諸々の手続き父親がしている。他の部分は美鈴に割り振っていたのだ。
「その方に呆れられてヘアケアの仕方とか教えて貰ってね、通ううちにこんな職もいいなぁとおもって」
美容院専門学校に進学すると切り出した時には双方とも反対はしなかった。元々学歴よりも職を手にした方が良いと思っていたらしい。
「軽くシャンプーしますよ〜」
「散髪と変わらないなぁ〜〜」
玲はそう思っていると散髪用椅子がリクライニングしつつも回転し洗面台に髪の毛が入れられた。
「苦しかったらいってね〜〜」
「?」
その理由は直ぐに判明する、玲の様な長髪は洗う際どうしても身を乗り出すのだ……結果女性なら確実に胸に顔が当たる。無論散髪屋でも仰向けになる事もあるが……。
「……納得」
玲はボソッと言うと観鈴が言う。
「あははっ、私も最初に思った」
観鈴も苦笑する。
「玲ちゃんも空手しているんだよね?」
京子が尋ねると玲は返事をする。
「はい」
「じゃあ三年生の不良らを叩きのめしたのって?」
「私、最もその時は少年の時だったからね……」
日菜子がスマホに記録された入学式の写真を見せた時に京子は項垂れる。こんな優良物件はもう出ない……。
「あ〜、これは京子好みだったわねぇ、確か玲君って近所の床屋で済ませているって聞いていたからね」
蔦子が言うと玲は苦笑し観鈴は笑う。


シャンプー後にトリートメントを受け、酷使されていた玲の頭髪は復活した。
「カットとかは相談するからね〜〜」
蔦子はニコニコしているが京子の方はお通夜状態……玲はレシートを見て思う、これは学割があるが中学生のお小遣いでも数ヶ月に一回だ。

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