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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 112

祖父である魁は息子である自分でも呆れる程元気であるが本家の先代当主になる叔父になる方は一昨年引退したがこれまで三度も死線を彷徨っている事を考えると葬儀に近い方だ、結婚は正弘と篝が一番近いだろう。
「で、この山を越えた所に漁村が点在するんだが本家の先代当主になる善叔父さんはそこに住んでいるんだ……お祖父さんの弟になる方で本家に養子として迎え入れられた。丁度激動の時代だったからね」
本家も炭鉱偏重から様々な分野に進出しそれなりに軌道に乗せるも善が只管走り続けた結果だ。
「おっと、兄さん達だな」
峠道の入り口になるコンビニ前に停車する何時もハンドルを握るスカニアと誘導車両を見た将は苦笑する、今回は建材であるコンテナを専用トレーラに載せており、前には兄がハンドルを握るスカニア……今回は地盤改良機材を搭載している。道路の通航制限するのはすれ違い箇所が限られるので警察と打ち合わせ中だ。
ステアリング機能が付いて無ければ多軸運搬車に積み替えての作業になっていた所だ……所割の警察官にとってはこの峠道はすれ違いは生じないに見えるが時折迷い込む他県ナンバーの自動車が出て来る。四輪駆動車で酷道走破したらこの峠道に出たり自殺の場所を求めて彷徨い慌てて保護した事もあり一回は遺体を回収した経験をする警察官が殆ど……仁が気が付き寄って来た。
「おっ、将か……騒がしい中でお目通りか」
「元々予定にあったからな……安全に」
将としては今回も仕事になる筈であった……が有給消化にされたのである。
「……」
「お目通りって言ってもこの先冠婚葬祭があるからね……本家の方も歩ちゃんの一件もあるし」
玲は笑うしかない……母親の顔が険しいのだ。


「……本当に邸宅だ」
玲はまるで少女漫画に出てくるような洋館に手入れされた庭を見て言う。玲は背後からの気配に振り向く。
「玲ちゃん!」
「命さん……大丈夫なんですか?」
「うん、本格的な仕事は秋になるから……」
命もあの一件で可也責任感を感じており当主に報告した訳だ。少々礼装ぽい服装である。
「案内するわ」
命はニッコリとしているが笑顔を作っているのが分かる。
玄関を過ぎそのまま居間へと向かう、作務衣を着た初老の男性が杖を持ち待っていた。立っているのがやっという感じだ。
「本家当主の禅じゃ……よくきたのぉ」
「玲です、初めまして」
最も禅は玲が乳児だった時に対面している……ちゃんと言葉でやり取りするのは初めてだ。
「歩の事で迷惑をかけた」
頭を下げようとするも玲は首を横に振る、あれは自分自身危機意識の欠落や驕りもあったのだ。
「大丈夫です……」
「そうか……兄の孫だけにしっかりしておる。ゆっくりと過ごしてくれ」
立つのが限度なのか崩れるように座る禅を見て玲も驚く……。




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