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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 89

将は己の言葉に従兄夫婦が気が楽になる訳でもないのだが……場所は湾岸エリアにあるアーバンリゾートホテルのカフェレストランだ、仕事で東京に出てきており空きが生じていたが神山さんの一報で日菜子と合流している。
「元々玲も血の気が多い方だから自分の身体が原因のトラブルの対処をするつもりだったんだろう、相手が想定外の方法で仕掛けて来たからなぁ……」
「神山さんの所なら悪くはしないわ、命ちゃんは元々は乳児の時からモデルをしていたって」
「軽い気持ちで初めて気が付いたらアイドルグループ候補生さ……借金で簡単に止められない様にしたうえに……」
その表情を見ると手打ちでごまかされた感もあるがあの事務所は幕を下ろすだろう……色々とダメージが蓄積しているのだ。
信頼回復が難しい程に……先代社長としては資金に余裕があるうちに会社を畳む事も考えている様であり、命の移籍先を真っ先に探したのもこの為で幸い旧友の神山が応じてくれた。
「とにかく、今回の件は終わりにしましょう。ふぅ」
日菜子は少し険しい表情になっているが父親が名門料亭で修行していた事もあり舌が肥えている。

舅は和食では絶対に知らぬ者は居ないと言われている程の板前であるが、洋食や中華にもある程度は調理できる……まあ金は取れるほどの腕前ではないが、子供らが料理に関して隙が無いのも納得であり本物の味を知っているから猶更である。
「パスタのソースが少し甘いかな」
ボソッと言う、確かイタリア料理の巨匠から一時期預かった料理人が居た時に習得したらしい。



三日目は最終日だ。同人誌を売り切りに図るサークルもあれば昨日で売り切った所もある……まあ経験を積めば乗り切れるのだが……。
黒馬運輸を初めとする大手運送会社にとってもここは“戦場”である、競争すると言うよりも“共同戦線”を張ると言う説明が分かりやすい。ニッカと黒馬は開催期間中に設営される臨時事務局の資材に同人誌を初めとする各サークルや作家の商品の搬入に来場者らが購入した商品や臨時事務局から出る資材の発送まで引き受けている。
「初日は派手に暴れたなぁ、社」
「あれでも抑えましたよ、私服だったらアイツを病院送りにしていた」
ニッカのセールスドライバー制服を着ている男性は社と話しつつ水筒で喉を潤す、同郷でしかも同じ高卒であるが男性が二年先輩だ。
「ははっ、そりゃあ従妹があんな目に遭えばそうなるよなぁ……」
社の武勇伝を幾つか知っている彼は薄ら笑いをするのも無理はない、病院送りにした連中は何れも三沢市に親の仕事の都合上流れて来た悪ガキであり社の怖さを知らずに社を挑発した結果は……警察沙汰になれば自身にも加害者になりかねない状況に追い込まれていたので泣き寝入り、社も大人の事情を分かる用に接していたので割と評判が良い。
「そっちはどんな感じですか?」
「大方撤収の段取りは付けているさ、そうそう……親父さん来ていたぞ」
社は何となく察した。

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