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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 88

普通なら羨む状況だが唯は兎も角空手の世界ではケルベロスの異名を持つ礼と渚と同時となると京一も叫ぶ。女達はパッとシャワーして飲み物を飲んでいる。
「久しぶりの豪棒ごちそうさまです」
「やっぱア京一さんのモノってお腹にゴリッて来るからいいんよねぇ」
唯もニッコリしつつも鞄から電子端末を取り出しニュースを表示する。
「あいつ、逮捕だって……色々と余罪があったり以前から捜査対象になっていたからね」
「(彼が修道 一誠)」
玲は総一郎が以前話した男を今の状況を見て悟った、学生時代に何人迷惑を被っていたのか警察の捜査が及ぶとその時の被害者らは平然と警察に情報提供する、一誠の親が国会議会議員をしていた事もあってかやりたい放題だったが色々と疑惑が出た所での逮捕、明らかに国会議員の親にも責任追及される。
「(野党の大物だったんだ……)」
とは言え三箸烏会の一人である円城寺先生が属する政党は与党であるがこちらからも息子の逮捕で辞職に追い込まれた議員が居る。
今回は予算委員会等での質疑応答の場での責任追及はない、つまり与野党其々の党内での吊るし上げである。修道議員の場合は息子の学生時代からもみ消しも可也あったらしく今後修道家から議員が出る事は無いと言う情報まであるが議員は地元の支持が無ければ選挙には勝てない……今頃野党では次の後継者を定めている。



三日目開催、即ち最終日だ……玲のコスプレ衣装はガーディアングリーンカラー夏季セーラー服で作中ではある学園に潜入捜査する際に菜緒が着用しており髪の毛も迷彩バンダナで縛ってポニーテール、一方命は改造巫女服姿だ……。
「じゃあ神山さんの所に移籍したんだ」
「うん、来月からね……ファンクラブも解散するって」
「納得したの?」
「表向きはね……ただ私の実績で何時までもレギュラーに選抜されないのは不信感もあったから」
トウキョウガールスの活動は停止しているがメンバーの個別活動は認められている、中にはそのまま活動終了と言う憶測すら出ている。それを見越して各アイドルとマネージャーも売り込みにしている。
命のファンクラブ代表は自身がアイドルデビューした時からの最古参で以前は別のメンバーを推していたが命に乗り換えて公認ファンクラブが存在しなかったので立ち上げてくれた恩人だ。今回の騒動も把握しており移籍とアイドル引退は仕方ないと理解している。ただ複数のファンクラブ会員が運営に対して猛抗議している模様で卒業公演を開催を要求している。命にも提案されたが彼女は断った……こんな状況では皆も自分も楽しめない。
「彼らがエスカレートしない事を祈るしかないわ」
命は呟く。



「……」
玲は目を丸くする、楠瀬運輸のスカニアが会場内にあったのだ。深い蒼色にルーフ上にあるハイバーの上に丸形四連フォグランプに車体下部にあるバー各種……ユーロスタイルカスタムの定番である。
「仁伯父さん、どうしてここに?」
「あ〜玖崎先生に頼まれてな。最終日なら何とかなるってね……もう大丈夫なのか?」
「うん……」
「分かっているって、容疑者の事は警察に任せるって」
命は一目で仁と玲の関係を把握した。
「(なるほど、玲にそっくりだ……ん?)」
仁は命を見た瞬間に命も気が付いて尋ねる。
「……玲ちゃんってもしかして分家の」
「?」
「私の本名は楠瀬 命、葵野 命は芸名で母親の実家の名字が元にしているのよ……そして本家の人間」
玲は持っていたペットボトルを落とした。従姉妹なら似て来る訳だ。


「分家?」
「玲は曽祖父が運送会社を興したのは知っているな……元々は炭鉱に関わった事業家の一つであって鉄道畑だった。だが戦後はEN革命で炭鉱もコストがかかる様になった。大規模な落盤事故も起きてな……曽祖父は貨物鉄道よりも貨物自動車に未来を感じた」
「私の祖父も炭鉱から手を引いて当時は珍しいスーパーマーケットを始めた……元々炭鉱労働者向けの生活雑貨を売る仕事をしていたし、事故で収入が絶たれた遺族の雇用先にね……それが大当たりして全国チェーンになり、楠瀬運輸は三沢市に三沢自動車の本社工場が移転した事もあり今の姿になった」
「……」
玲が白黒するのも無理はない、三沢市近郊にあった炭鉱は大規模な落盤事故により施設の老朽化が顕著に……最終的には全国にある炭鉱と同じ時期に閉山。雇用先を用意した楠瀬家に先見の明があったのは事実だ。
「……私の両親、玲ちゃんの両親を知っているわね」



「まさか、本家の娘かぁ……はぁ」
将は着慣れないスーツを着用しているので気が重いが日菜子は苦笑しつつも、やつれた従兄夫婦を見ていた。
「ほんとうにすまなかった!!!」
「あ〜気にする事は無い、玲には今年の夏に本家宅に連れて行くつもりだったし……今頃兄から聞いているし、社……気が付かなかったな」

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