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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 83

「いえ、はっきりと本人が名言した方が依頼する方も納得するから、それに楠瀬の大人らは芸能界の闇をよく知っているから……」
ライターの男もここまで言われると納得するしかない、彼女は自分の立場を理解しているのだ。
「昨日の一件は各方面に震撼させているよ、媚薬の出所は容疑者らが出入りしていた“映像制作会社”が非合法で所有していたが管理不十分な所に容疑者らが持ち出した……当然そこにも警察のガサ入れさ」
とばっちりを喰らった上に今後規制強化で入手が難しくなる場合もあり得るので同業他社から恨まれる恐れもある……嘸かしこの後が大変になるだろうな。
「本番前にするべきじゃなかったな」
「気にしないでください、昨日は命さんのファンを騙したから」
「確かにね、ただ彼女のストーカー被害はファンの間では知れていたから昨日の事件も彼女狙いだった事は明らかになっているし……逆に注目されていたからねぇ」
「もう……官能小説家の血が滾っているの?釜野先生」
「ははっ、売れっ子とは言えないがね」
玲は目を丸くする、とても人が好い中年に見えたからだ。



数時間後、二日目開催……今日も昨日と変わらないプログラムであり総一郎が運転する劇中車に玲が助手席に座る。
命は巫女服姿であるが気分が優れない事は表情でも分かる、無理もない今朝になって所属している芸能事務所社長の悪事が明らかになり両親は今後どうするかで弁護士と共に話し合いの最中、マネージャーも命は元より自分の雇用すら怪しい状況だ。最も救いなのはファンは昨日の騒動を知っていたので何事もなく接してくれている……。
「大丈夫かな」
「玲、今は集中な……大人らが動いているから」
インカム越しに総一郎の声が聞こえた、これはラリーカーでは騒音が酷いので会話するにも欠かせない訳だ。実際大人らは命の今後を見据えて複数のプランを用意しており昼食時にそれが示された。
「事務所を移籍ですか?」
「ああ、君の両親は今回の一件で完全にプッツンしている、当然トウキョウガールス研究生も辞退する」
マネージャーも想定していた、先代社長も契約違反を覚悟で命を移籍させる気だ。
「でも、トウキョウガールス運営からの違約金が」
「そこは問題は無い、運営も把握していたが黙認していたからのぉ……」
同席している神山は言うには違約金に関しては運営側も幾多の契約違反があり不利益や損害が命にも生じていた……今回の騒動の落し所として事務所移籍を認め、事務所にある借金の帳消しと東京ガールス研究生辞退を受け入れるが損害に関しては請求しないと言うのが条件だ。
「その原因になった社長とステージママは今頃警察にて事情聴取されている……もう終わりだろうな」
命が所属している芸能事務所は大騒ぎになりとりあえず新規の仕事は保留し引退した先代社長が陣頭指揮を執り命の事務所移籍を決断、その移籍先が神山の所だ。
「命さんが良ければ……ただ今時のアイドルを扱うのは初めてじゃのぉ」
「もうアイドルじゃないです、それでもかまいませんか?」
命は分かっていたのだろう、先輩アイドルの芸能人生命を奪う事に……涙声になっているのも感情を抑えきれない。ただレッスン代が幾分借金として残っているのは事実だ。
「モデルやレイヤーとしてか……覚悟はある」
神山の眼は鋭い、玲は何度か見た事がある……彼は本気になると鋭くなる、命を世話する気だ。
「よろしくおねがいします」
命の言葉に同席した玲もホッとする。アイドルを育てるにも多額の金が必要であり事務所が建て替えている事も多く、これが枕営業に繋がり少女だけではなく少年にもあると言う噂もある……命としてはこれ以上アイドルは無理と見限る、借金も返済不可の額ではない。自分には豊満な胸と尻がある、大学進学をせずに仕事と資格取得に専念すれば……。
「マネージャー……こんな形で事務所を去るのは本当に」
「申し訳ないのはこっちさ、幾度かバラエティ番組用の衣類が汚された事あっただろ……犯人を隠匿していたからな、社長が……この件に関しても両親がかなり前から改善策を求めていたがね」
結局、命に対する嫌がらせは複数のアイドルが関与していた事に加え他の問題も噴出し“トウキョウガールス”はグループの活動を見合わせる事になる。控室と用意されたキャンピングカーのTVには騒動を報道するお昼の番組が流れていた。

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