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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 74

こればかりは仕方ないが事は命にも関わる重大な案件だ、陽も理解している……この様な囮による現行犯逮捕しか出来ないのは法律の限界が見え隠れしているのと、加害者がどうも有力者が身内に居る。普通なら無理だがあの楠瀬運輸の相談役の事だ……東京に複数の有力者との知り合いがいる。
「(それで玲を使った訳か)」
陽も呆れるが今のうちに手を打つのも分かる、過去に仁の娘が似たような事をされており流血の惨事寸前になった事がある……あの時は親が国会議員をしていただけに円城寺議員が激昂して宥めるのに苦労したらしい。
女も酒もバクチも動じない議員としては理想的な聖人君子だが悪く言えば融通が利かない、だがスキャンダル一つで野党に転落するのも国会の恐ろしさを知っているからこそだ。結果的に警察沙汰にもならずに穏便に済ませたが……。
「休憩になりま〜す」
係員の声がした、コスプレイベントの撮影会に休憩を挟むのは野外での撮影は熱射病を防ぐ為だ、玲は元より体力はある方だが慣れない事をしているから負担が来る。


「二人から聞いた時は辟易したが……本当に初めてだったんだな」
緋刀学戦記の主人公である長谷川 丈を演じる大学生は呆れる。
しかも、空手を嗜む者の間では知らない事は無い名前が出たからだ。
「玲……本当に女性になったんだな」
「はい、でも櫟さんがレイヤーしているって驚きました」
「あ〜これな、親父の知り合いに泣き付かれた……俺も大学に専念したいって言ったからこの程度で済んでいるさ……はぁ」
櫟 功介は両親が役者故に昔からTVに縁があり気が付けば子役になっていた、スタンドマンをしていた伯父が空手を嗜み功介も自然と習い始めるがその流派が日比谷師範が学んだ所なのだ。ただ子役をしていると孤立する事もあり中学高校時代は身をもって知る事になり役者では無く普通の職になりたいのだが……半ばレイヤーである。
功介も自他共に認めるイケメンであり、アイドルの話もチラホラ出ていたが余りにも両親が偉大過ぎて自分が役者として成功する保証はない。だから大学でしっかり学び自力で就職しよう……だったが結局はレイヤーの仕事も引き受けた。女性レイヤーが男装をする事も珍しくない。功介は数少ないレイヤーだ。
男性でしかも芸能事務所所属しているレイヤーとしては……仕事はこの緋刀学戦記の長谷川 丈役のみで作品も現代社会に近いとあってか作中学生服で済ませられるのでコスプレ衣類が出にくいキャラクターであるが銃器に関してはモデルガンメーカーからの需要もあるので撮影の仕事も入る。
「しかし、よくオジサンらが許したな」
「リーナの母親の勤め先にも出たからね、命さんを待っていた事が判明したからね。裁判所から令状を持っても弁護士来て逃れる手口だし……」
「現行犯か」
「そっ、弁護士は介錯役に徹するしかない状況にするのが目的」
休憩で仮設されたトイレに向かう二人……昔から道場間の交流もあり流派対抗大会でも顔を合わせている。
「神山さんも分かっている訳か……命ちゃんも変な奴に目付けられたな」
功介は学生服のボタンを外す、夏服でも熱いのだ。

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