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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 32

和食でありながらも獣肉を扱えるのは理由はある、母方の祖父は料理の世界ではその名を知らない者は居ないと言うほど名が轟いているので弟子入りする料理人も若者だけではなく他の料理をしていた人も居てフレンチの有名なシェフが数年間在籍した事も……その際母親も幾つか獣肉の料理を教えてもらった訳である。
「それより昨日の騒ぎ、大丈夫なの?」
「はい。兄が居たらもっと大変でしたが……」
「呆れた……」
流石にあの兄を持つ事はある、正弘の武勇伝は半ば伝説化している。彼女もまた……梨美は笑いつつもジョキングをする。


数分後、梨美と分かれて日比谷道場に入ると空気が変わる。父と兄が"拳で語っている”最中であり、参加自由の朝稽古に来た門下生らはかたずをのんで見守る。成人組は何時でも止められる様に準備を進めていた。
「あ、玲ねーちゃん!!どーしょう!!喧嘩しているよ!!」
小学生組の数人がおろおろしているが玲は思う、父にとって篝さんは娘同然だ……まあ彼女の父親でない分マシだ。あの方は後楽園ホールでその名を刻んだ元プロボクサーで今でもぶん殴られると跡は確実に残る。高校時代に何度か兄はKOされた事もあるのだ。
「大丈夫、二人にとってはこれが会話しているから……そろそろ止めないと」
篝さんは呆れた表情になる、胴着に着替えており蹴りと拳が飛び交う中へと進んでいく。両手には小さな竹刀……そして床を蹴った音が響いた。
「はい、終わり……二人とも仕事があるんでしょ?痣作ったらどーするのよ」
将と正弘も止まる。その目は怖い、愛妻家である数人の門下生は苦笑するしかない。
「「はい」」
玲も薄ら笑いをする。
正弘と将の顎先数mと言う所で短い竹刀の先端がある、二人とも篝の姿を視認して踏みとどまった事は分かるが篝は二人が踏み止まれる事を見越して飛び込んだのだ。
「あれ?高士とリーナは?」
何時もは朝稽古に来るのに……リーナは体調不良で休むが高士は休むとなれば珍しい。朝から父子喧嘩が収まった所で軽く汗を流し始める玲達……通学時間もあるので割と短めである。正弘と将はそのまま道場を後にした。


「送っていくから」
「はい?」
自宅の浴室から出て制服に着替え終えた後に篝が登校に付き合う事になった。昨日の一件もあって将も正弘も中学校まで送り届けたいが朝一で走る場所があるらしい。


昨日の一件を思えば報復に動く事も考えられるが……まあ楠瀬運輸や篝の父親が運営するボクシングジムの門下生の人脈を使っているので起きにくい。ワルだからこそ人脈関係が後々の人生を左右する、社会復帰する位は確保したいのだろう……。
「リーナと高士は遅れるから」
「???」
やはり一晩中セックスしていたとは言えないのだ。
遅れるとは言っても普通の学生なら十分な登校時間だ。
「おぉうぅ!これはまた……育ったなぁ」
「「隆にぃ!!!!」」
楊 隆介が玄関に入るなり玲の制服姿を見て言う。地元は元より全国に轟かせた天才で今は医学研究者兼医師……米国の医療団体に所属している事は二人は知っていた。
「今度日本に出来る施設で働くことになってな……親父もな」
「はい?」
「いや〜帰宅して居たら高士とリーナが裸で寝ていたからなぁ……ふう」
玲は真っ赤になり、篝は隆介の肩を手に置くが……隆介としては自室で妹と弟分の情事の場にされると言う我慢の処であろう。

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