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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 27

「関さん、彼女を病院に……」
「わかっているわ」
信じたくはないが違法薬物を服用させているのなら、それにしてもあの二人には感謝したい、突入のきっかけを作ってくれたのだから……。
「橘 礼さんに橘 渚さん……ありがとうございます」
「お役に立ててよかったですわ」
「あばれ足りないけどね」
渚は不満げに言う、出た男を問答無用で引きずり出して殴り飛ばしたのである。バイク用ウェアで胸を開けて油断したとはいえ……。
「噂通りの姉妹だ……バイクだけではなく格闘技もできるとは」

夜須は呆れつつもケインを見る、なるほどこれはもう県警の薬物捜査班も来るな……。
「夜須さん、彼女を病院で検査します」
「はいよ……さて、協力感謝しますが、できれば……」
本当に通報を受けた時には驚いた、逃げた被疑者を追跡している二人が居ると言う第一通報者から聞いた時にはびっくりしたが素性を知って納得した。橘 総一郎と言えば警視庁でも知られている空手の猛者であるしその妹二人も猛者……最も二人はバイクの方面での猛者であるので人事が動いているって言う噂は聞く。
「申し訳ありません」
「謝る必要もないのに、礼は几帳面過ぎるの」
渚は呆れつつも言う。
「日比谷師範代のご自宅、兄様知らないから、急がないと」
「心配はいらないよ」
夜須はにっこりして言う。
「報告ついでに行くか……」
大麻に関しては学校関係者にも話を聞いておいたほうがいいかもしれない。



「なるほど、お隣さんだったわけね」
定番的な日本家屋の横にモダンなコンテナ集合体住宅があるから分かると言われたが納得した。何よりも二人が来た頃には兄は胴着に着替えて日比谷師範代と組手を終えていた。道場の片隅にはグロッキー状態の大人男性が数人壁に寄りかかっていた、兄と初めて組手すればこうなる。日比谷師範代は平然としているがそれでも息が上がっている。
「兄様!」
「兄貴!」
「おう、来たか……二人とも、ちゃんと喋れる程度で済んだか?」
夜須は笑うしかない。
「夜須か……」
「楠瀬 玲を襲った一味は全員確保しました」

「そうか……リーナ、聞いた通りだ」
舌打ちするリーナに高校生数人、そして大学生組も夜須に“なんで逮捕したんだよ”という顔になる。
「実は大麻栽培も見つかってましてね……リストとか見つかる可能性もあるので」
その言葉に教師を職する門下生がピクっとなる。薬物に手を出しているや素行不良の連中との交流の噂がある生徒が直ぐに頭上に浮かぶ。
「保護した少女は念の為に病院に……中毒にされた可能性もありますので、後は……事情を知っている方がいると助かるのですが?」
「そうか、そいつらの交友関係は楠瀬運輸の社員が知ってます」
将は静かに言うと夜須は口笛を吹く、流石に社員の殆どが学生時代に三沢市や周辺にてバイクで走り回っていたことはある。
「……既に捕まえていると」
「はい、夜須刑事見つけたら直ぐに知らせろと」
玲は薄ら笑いをするしかない。
恐らく祖父と伯父は学生時代に暴走族やワルだった社員らに声をかけているのだろう。広い目を見れば人材確保にもつながるし更生する糸口を掴んでいる訳だ。地域社会にも貢献している。
「何時も助かっている」
「お互い様ですから。後玲がこの先どんな事をするか……あの方が?」
「第一通報者で連れ去り未遂にしてくれた方ですよ。空手の腕前は」
「なるほど、手合わせしたいが……宴会が先か」
既にスタンバイを終えており将はため息交じりに言う。


「橘 総一郎です」
「玲の父です、本当にありがとうございます」
目線を合わせた瞬間に二人は感じ取る、相当な腕前だ。
「玲も無茶はするな」
ただ今回は喫緊の事態というのは知っていた。
「玲、大丈夫か!!!」
高士が息を切らして柔道着を帯で丸めたモノを隅っこに放りこみかけよる。
「大丈夫、それよりリーナ達抑えておいて」
「ああ……でオジサンの前に居る男性は?」

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