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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 23

しかしながら今でも変性症を初めとする第二次性徴異常症候群の患者に差別がある事は確かで、敢えて男装しないと落ち着かない変性症患者も存在し女性の象徴である乳房を切除してしまう人も……無論日本では慎重論と医者の保身で手術まで実現するのは難しいので高額になっても海外で手術を受けるケースも出ている、乳癌防止と言う大義名分を使ってもだ…。
「えっ……」
「あれは胸の輪郭を隠しているわよ……」
篝がすれ違った際にかすかに香水の匂いがしたのだ、女性用の……。


数時間後、フードコートにて玲は天井を見上げていた。髪飾りに生理用ポーチと言った女の子の必需品を買い揃えたからだ……後は私用の水着も揃えておく必要があった、スク水だと危ないと言われたのである。
「シアトルカフェのアサリパスタ大盛でいいか?」
正弘が告げると玲は頷く、シアトルカフェはカフェスタイルのレストランで一昔パスタブームが起きた際に進出したファーストフードである。
本拠地が米国ワシントン州シアトルとあって早くから日本人好みのパスタを出して盛況、しかも進出した時期が丁度郊外型大型複合店舗が出来始めていたとあって定着した。
「ガーリック多め」
「……」
これは仕方ない、どうしても病院にある食事は味付けが薄めになる……何よりも玲は育ち盛りだ。二人にあれこれ連れ回されて疲れたのだろう。
「あれ?楠瀬君っ……」
「あっ、冴島さん」
視界に入った少女を見て玲は力無く言う。

「やっぱりそうだぁ!うぁああっ!委員長や楊さんが遠い目になるわぁ」
冴島 久美は別の小学校であるが玲の事は知ってはいた。他の同級生より大人ぽく、上級生に先生からも信頼されているし峰沢に絡まれていた所を助けて貰った事もある。あの時の緊迫感は怖かった。
「そのセーラー服って」
「母親が使用していたモノ……」
日菜子はポッと顔を赤らめる、久美は何と無く理解した。
「くーちゃん、席は……えっ」
久美の背後から声がしたと思えば夏服タイプのブレザー制服を着た女子学生数人がいた。
「……えっともしかして楠瀬君」
久美は頷くとコンマ数秒絶句した、篝も思うが玲の胸サイズは規格外と思う。
玲の背丈は中学一年平均、両親の顔立ちもよい……それが少女になれば……。
「紫藤の所の……妹か」
正弘が戻ってきて紫藤 真奈美を見て言うと彼女は尋ねる。真奈美は小学校が同じであり何度か同じクラスになった事もあるし彼女の姉は正弘と同学年であって昔からマサ兄様と呼ばれていた。
「マサ兄様!!!これは!!!!」
「見ての通り、玲……久遠には言うなよ」
スレンダーだったからなぁ……性格は云いが。


隣の席が開いていたので彼女達も座る。聞けば短縮授業であり、郊外にあるベットタウンと玲が通う中学校がある区画までは路線バスがありバス通学組はこの商業施設に立ち寄れるのである。
「じゃあ制服受け取ったんだ」
「うん、レオタードもね」
玲は自分のスマホを操作して試着した際の画像を見せる。スラックス姿の玲を見ると印象がまた違う。
「スラックスもあるんだ」
「一応ね、この先どーなるか分からないし」
確かに、育ちが悪い上級生や小学生気分が抜けない同級生と何度か小競り合いをした事がある。無論最初は言葉で諭していたが相手が拳を奮ってくるのが常だし、相手に非があるのも明確だ。久美の時もそうだった。
「せっかくだから、水着売り場行こうよ、この後」
「え?」
「スク水だけじゃもったいない!!!!この胸のサイズならあそこしかない」
柳 晴海は迫る、彼女も昔から知っている子だ。何気にタピオカドリンクのコップを玲の胸に置いて言う。

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