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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 16

変性症は性別変わるだけで身体に重篤な障害が残る事は稀である……寧ろ精神面が不安定になり易く、一昔はそれを蔑ろにしたので性同一障害に陥った人も多く、行政や医療支援の面で遅れていた日本を見限った人も少なくは無く人権問題にも直結する。それ故に発症後は丁寧に本人や家族に精神的ケアをしているのだ。今回も玲の精神は異常は無く島もホッとした。
「暫くは生理不順による体調変異があるから……」
「はい」
「……だから男性とのセックスの時は気を付けてね」
玲の顔が一気に赤くなるが一昔は変性症により女性になり未成年の懐妊も相次ぎ15歳での出産事例も……島はこの時の患者を担当しており最終的に相手の男性が責任執って少女と乳児を家族として養っており、今では幸せな家族だ。仮に拒否すればどうなっているかは相手もその家族も分かっていた。
「私がこう言えるのは貴方はちゃんと赤ちゃんを身籠る事が出来る身体になっているのから……堕胎すると変調する事もある」
「……」
それは玲に言い知れない不安を齎す事になる。
それが女性として生きていく事に対する事なのだ。
「それと変性症の支援団体もあるからね」
「あるんですか?」
「ええ、当初は医療機関と患者家族らが組織を立ち上げたのよ。法的にも不利になる場合もあったからね」
一昔は戸籍の性別変更が中々認めらない状況で日常生活に支障を生じさせたのも変性症になった女性がまだ理解度がある国外へと移住を決意させた、やがて国連からの人権問題上重大な過ちとして非難決議が出る寸前になった事もあり今では速やかに戸籍変更が認められているのもこの様な過去があるからである。
「円城寺議員が可也激高していたしね……あの方は早くから事の重大さに気が付いて動いてくれたけどねぇ」
島が言う円城寺議員の事、円城寺 透は国会議員で与党大物であり度々閣僚ポストの呼び声が高いも辞退する事が多いが一度問題に取り掛かるとマスコミに激高する姿を晒す事も躊躇しない……そんな性格なので意外と人望があるのだ。変性症により女性になった方々の問題も彼が最初に気が付いて与党幹事や関係省庁に働きかけをするも鈍かった。

そして国連からの問題視が表面化すると慌てて動いた時に漸く円城寺の真意に気が付いた、当時の厚生労働省大臣は執務室で胸倉を掴まれたと後に明かしている。
「知っているの?」
「はい……母親の実家料亭なんですが、常連客で三箸鴉会の一人です」
幾度かお年玉をもらった事もあるし玲から見れば食通のオッサンなのだ。


「はぁ〜〜〜玲が変性症かぁ」
東京にある与党本部の自室にて円城寺 透はびっくりした表情になる。三沢市近郊にある料亭神田川大将からの通話で知ったのだが……。
「神田川のお孫さんの一人ですよね?」
「嫁入りした娘が産んだ次男坊だよ……婿が気が気でないだろう」
「セカンドバースディ、どうするかのぉ」
「先生、実の娘が冷たいとは言え……」
仕方ない、父親と兄が事故死してサラリーマンをしていた自分を担ぎあげられたからなぁ、円城寺としては秘書の中に政治家志望が居ればそいつに任せたいと思ってはいたが……気がつけばベテランである。
秘書の中には政治家志望も居るのだが与党本部や県本部の眼鏡に適うモノではないらしい……この分だと余程の病気を抱えないと国会議員を引退出来ない。実の娘は早々と政治家拒絶宣言を出している、最も家族全員を政治利用する気はサラサラっないのだ。
「しかしながら先生が必至なって掛け合ったお陰で変性症により女性になった方の国外移住者が出てませんね」
「ふん、国連から非難決議が出る寸前になって慌てる様じゃまだまだ……」
「首相になればよろしいのに」
「口喧しい言えるから国会議員出来ている様なもんだよ」
確かに閣僚ポストにつけばこんな語気が強くは言えない訳だ。
「三箸鴉の他の連中は知ってはいるのか?」
「恐らくは……次の帰郷の際に会食の調整をつけてます」
「出来る片腕だな」
「先方にも色々とありますので……では、解決しましょう」
眼の前に積まれた案件と資料がまとめられたファイルを見てため息を付く、本当に物分かりが悪いのが多い。




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