僕らはふたなり淫魔に変わっちゃう 16
そんな事を翼が考えていると
「ねぇ父村くん何考えているの?」
緑が覗き込む様に翼の顔の前まで近付かせていた。
翼は慌てながらも
「なっ・・・何ったって・・・ほらやっぱり妹だからねぇ」
翼はあくまでも唯の兄としての言葉を言う。
すると緑はクスッと笑みを見て
「でも・・・父村くんだって良く見ると綺麗じゃん」
と緑が悪戯っ子みたいに言ったのだ。
翼は更に慌てて手を振って否定する。
「翔んでもない!前住んでいた所の友人は皆『お前は絶対女で生まれた方が良かったんじゃねぇ』って言われてた位だっただから」
「でもそこが良いじゃん」
翼は密かに気にしていた自分が女顔だと言うのを緑が魅力だと言ったのだ。
その言葉に翼はドキッとしてしまうと廊下の時計を見ると緑に時計の方に指を指す。
「そっ・・・それより早く教室に入らないと遅刻しちゃうよ」
「あっ!もうそんな時間だぁ!ほら行こう父村くん」
緑も時計を見てそう言うと二人は急いで教室へと向かった。
その間でも自分の女顔を褒めるチラッと見てしまう。
翼にして見れば緑だって魅力的な女子じゃんと思っていた。
ショートカットした髪形は緑をボーイッシュな出で立ちをしながらもその仕草は普通の女子と変わらない。
そして何よりCカップ位の程好い美乳が更にボーイッシュな出で立ちとのギャップで緑の方こそ魅力的だと翼はそう思っていた。
だがその時後ろから翼に有る意味睨みを見せていた男子達が居た事を翼は知る由もない。
そう翼が緑に対して同じ事を抱き思っていたのは何も翼だけでは無いと言う事を・・・
その頃
「ねぇ唯っち!唯っちは入る部活を決めた?」
「ううん!私は帰宅部かなと思ってる」
唯と唯に親しそうに話している少女は午後の部活のオリエンテーションの事を話していた。
この部活のオリエンテーションは一年生全員参加だがだからと言って各部活への入部は強制では無く実際二年生三年生の半分以上は翼と同様に帰宅部となっている。
そして唯も部活に参加しない事に決めていた。
勿論その理由は翼と同じである。
すると唯と話している少女も
「唯っちは帰宅部か・・・じゃ私も唯っちに合わせて帰宅部にするかぁ特に得意なスポーツ無いし」
そう言っては唯と同じ様に部活に参加しない事を決める。
唯は慌てて手を振っては
「そんな私に合わさなくても枕崎(まくらざき)さんは入りたい部が有れば入れば良いじゃん」
自分に合わそうとする少女に謙遜してしまう。
だが少女は唯の肩を軽く叩きながら
「いいのいいのこれは私の意思だから・・・それより唯っち」
「何?枕崎さん?」
「そんな堅苦しい事言わないでよ唯っち!葉子(ようこ)で良いって」
苗字読みする唯に下の名前で言ってと言う。
すると・・・
「お〜い!始めるぞ」
唯と少女のクラス担任が入って来る。
「じゃあまた休み時間で」
「うん分かった」
唯と少女はそう言うと少女は自分の席へと座りクラスはホームルームを始まった。
唯と親しく話していた少女の名前は枕崎葉子(まくらざきようこ)
ポニーテールの髪型をしており背丈は唯とそんなに変わらない。
それだけでない胸や腰そして尻まで唯と大差なく身体全体が可愛いイメージだ。
勿論顔もアイドルに負けない可憐さも備えており皆が皆可愛いと言う少女だ
そして同じ様に可愛い唯と並んでいる事も多いからクラスの男子生徒全員は勿論一部の女子生徒まで唯と葉子を『うちのクラスの2トップ』と既にそう呼ばれていた。
そんな二人を獲物を見つけた猛獣の様に見ている者達が居る事を二人はまだ知る由もない。
こうして翼と唯そしてそんな二人に親しくなった緑と葉子・・・
そして翼と唯に関わってしまった事で緑も葉子も運命が変わり始める。
この先の目眩く悦楽の世界に・・・
何より翼を睨みつけていた者達そして唯と葉子を獲物を見つけた猛獣の様に見ている者達にも運命が変わる。
そう男根雌によって地獄を見る事を・・・
午後となって今日の授業を終える。
「じゃあねぇ父村くん」
「じゃあまた明日」
翼は帰る緑に挨拶をして別れると自身も帰り支度を終えて帰ろうとする。
すると
「おい!お前!」
「ちょっと俺達と付き合えや」
翼の周りには五人程の男達が囲んでおり翼を睨みつけていたのだ。
その五人程は中学に居る者は知らない者が居ないと言う札付きの不良達だ。
恐喝やケンカ等は当たり前で時に女性をレイプさえいとわない悪党。
それも皆が体格が良くこのままケンカすれば翼の負けは確定だ。
釈然としない翼。
だがそんな男達に囲まれてしまった翼は怪訝そうな表情をしながらも
「うん・・・分かった・・・」
男達の指示に従うしか無く男達は翼を連れて別の場所へと連れて行く。