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女学園の王子様
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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女学園の王子様 17

マダムは驚くが今でもあのペテン師が巻き起こした事件の影響が及ぼしているのも事実だ。
「娘さんは可愛いからさぞかし狙っている好好爺も多いし、息子もイケメンだ……彼も“可愛く鳴かされる”だろうね、私が引き取って手を出さないと思うかね?」
正信の言葉に彼女はヒッと言う声を出す。そこに夫が来た。
「すみません、家内がこんな事を」
「大丈夫だ、歩は早くから引き取るべきだった……君も大変だが」
正信はため息をつくが夫は言う。
「気にしてませんよ、私も彼女をほってはおけませんので」
女に振り回されるのはお互い様だ。
「彼女の事で困っているのなら遠慮なく相談してくれ……君まで巻き込まれて最悪の事態になってからは遅いのだよ」
「はい」
既に分家筋の女性は言葉すら出てない……正信は思う、歩が共に人生を歩んでくれる男性が居るのだろうか。






パーティー会場は学園がある都市では最も大きいホテルのホール、これは社会性を身につける為であり伝統らしい……歩にとってみればため息すら出る、場違い感と焦りだ。
「毎年している訳ね」
「はい、私も経験しましたので」
ライナも苦笑する程に歩は不機嫌そのものだ。何よりも食事よりも談話を優先する辺り理解に苦しむが料理自体も歩には合わないらしい……残さずに食べているが表情は晴れない事はライナも分かる。
「遅くなって申し訳ない」
「大丈夫です……伯父さま」
正信の立場を理解して歩は一礼する。
「君の両親もこの時に出会ったんだよ……」
「……」
「(そしてあの男も出たのもここだったな)」
正信は心の中で悔やんでいた。


「……っ、伯父さま?」
「すまないな、少し思い出にふけっていたよ……良くも悪くもここで始まったからな」
確かにホールは少々古めかしいが歩も分かる、そこに変わらぬ上品さがある事を……。
「櫟っ……彼女が……」
正信と同じ年頃である男性がシャンパングラス片手で寄ってくる。
「そうさ、漸く引き取れたよ……歩、彼は高坂 匠で私の学友だ」
「悪友だけどな、うん」
品が良い紳士に見えるが歩は彼の口元が少々歪んでいる事を見ると本音としてはベットの上で味わいたいのだろう……。
「親父っ……あんまりのみすぎるなよ、先生と病室で将棋相手する……おっと、櫟さん」
軽食であるローストビーフやサーモンのマリネを載せた皿を片手に来た少年、いや青年に近い年齢だろう……男性は歩を見る。
「おおっ、歩さんは初めてかな?愚息の輝だ、檜宮学園高等部一年」
「……櫟 歩です」
「高坂 輝だ……君の事は親父や櫟さんから聞いているよ」
「はい?」
歩は少しマテと言う表情になる。
「まぁ、旧華族はどうも血筋に拘る人は今でもどの家にもいる訳で、恥ずかしい事に母親もそうなんだよ……」
輝はため息交じりで言うのも無理は無い、何せ子供の時から一般社会で言う“婚活”はしている様なもんだ……そしてこの様な事は上手く行く訳でもなく妾が出来る事も少なくは無い。輝もよって来る異性はウザく感じ始めていたが歩の事を知って興味を示した。
「最初は友達って言う事でいいかな?」
「……」
戸惑う歩は手を取られたが不思議と嫌悪感は無い。
「(悪くは無い……)」
「他校の生徒とか知らないから紹介しておくよ……保護者が居ると寄らない奴も多いから」
「任せた」
櫟はニッとして高坂も表情で同様な事を語る。


「色んな人が居るんですね」
「親の仕事を継ぐにしろ、起業するにも人脈って言うのは必要だ……それは恋愛も言える」
数時間後に名刺やスマホ番号交換した数なんて数える暇が無い事を実感した輝と歩はホテルの中庭に居た。
「その」
「既に性交経験している事は知っているさ……君の体も知っている」

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