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作品ドロボウ バーニングジュン
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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作品ドロボウ バーニングジュン 8

純はバーニングジュンの姿になり、
「蒼ちゃんに会っておきたいんです」
そう言って、もの凄いスピードで水谷研究所の前から走り去った。


「蒼ちゃん!蒼ちゃん!」
背後から突然、机に向かっている蒼を呼ぶ声がした。
蒼は振り向き、辺りを見回すが、何の姿もなかった。
「ここだよ!」
声に反応して下を見ると、10数センチ程の人形のような姿があった。そして、それは光り輝くと、見る間に等身大のサイズになった。
それはバーニングジュンその人だった。

ジュンはヘルメットを脱ぎ、蒼に素顔を見せた。
「久しぶりだね!蒼ちゃん」
ジュンは笑顔で蒼に挨拶した。

ジュンの奇妙な出現の仕方に驚きながらも、蒼はジュンの前に歩み寄る。
「お兄ちゃん!?…純お兄ちゃんなの?」
「そうだよ!」

「お兄ちゃん…本当に女の子になったの?」
顔を見ると、若い女の子の顔だが、純の面影が十分に感じられる。声も滑らかな女声だ。
身長は小柄な蒼よりはずっと高いが、最後に会った時の男の純と比べると幾らか低くなっている。身体も全体的に細くなって、胸が結構大きい。
スタイル抜群の美少女といった印象である。

「ところで、どうして…あんなふうに小さくなっていたの?」
蒼は、ジュンが小さな姿になっていたことが不思議でたまらなかった。
「ああ、それは…これだよ」
そう言って、ジュンは右腕に装着したブレスレットを示す。

それは伸縮変換装置といって、最大100倍、最小100分の1と、身体のサイズを自在に変えられるものだ。
「これでもって…さっきは蒼ちゃんの前で10分の1サイズになってたんだ」
「へえーっ!すごい!」

また、ベルトの右側の腰の位置に反重力装置を装備し、スイッチを入れると、宙に浮いては自在に動いたり飛び回ったりすることができる。

「さっき…玄関のチャイムが鳴って…出て行ったよね」
「どうしてその事を知ってんの?」
蒼が驚き、ジュンが説明する。

「あの時、僕は100分の1サイズに小さくなって宙に浮くと…チャイムを押して、蒼ちゃんがドアを開けたときに…気づかれないように家の中に入ったんだ」

「すごーい!」

純粋に驚く蒼に微笑みながらジュンは口を開く。

「僕も水谷博士の所でお世話になる事になったからよろしくね!」
「ほんと?!、すごい!、一緒にできるんだっ!!」

蒼の驚き喜ぶ顔を見ながら、ジュンも満面の笑みを見せたのだった。

「ねえ、泊まってかない?今夜はパパもママもいないんだ」
「えっ!?」
蒼は憧れのジュンと、今夜一晩、2人っきりで過ごしたかった。
「1人じゃ寂しいし…」
蒼はそう言ってジュンにせがむ。

「ちょっと待って」
ジュンは、ベルトの左側の腰の位置にあるケースからスマートホンのような物を取り出すと、指で操作し、耳に当てた。
それは、スマホと同様の機能の他に、様々な機能を満載した超高性能小型端末機だった。

「泊まってもいいけど、朝になったら早く帰るようにって言われたよ」
「わあーい…よかった!一緒に寝ようね」
蒼は嬉しくて大喜びした。

「そうだ。僕、今度…蒼ちゃんが通っている学園に通うことになったから、よろしく!」
「えぇっ!?でも、あそこ…女子校だよ」
蒼が通う学園は中高一貫の女子校で、蒼の家や水谷研究所からも近い。
「大丈夫だよ!もう戸籍の上でも女になってるし…」
ジュンは性転換して間もなく、戸籍上の性別を変更する手続きを済ませていた。

「僕はもう…女として生きていくしかないし、戸籍上の名前も…漢字の“純”から片仮名の“ジュン”に変えたんだ」

「そうなの…」
蒼は寂しさを感じた。恋する人が男の人でなくなってしまった現実が悲しかった。
それてもジュンが大好きだという気持ちに変わりはない。

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