作品ドロボウ バーニングジュン 5
もう一つは、科学的に説明できるチカラで戦う武装少女。
武装少女はその名の通り、パワードスーツだったり銃器だったり刀剣だったり様々な武装をしている。
基本的に、現在の超科学で作られた武装を使用することが多いので魔法少女のように特別な資質が問われることは無い。
また、予め訓練を受けている事が多いのでヒロインとして活動を始める時にはある程度の水準に達していることが多いのも特徴である。
大きく分けると以上に二分できるが、そんなに綺麗に分別できる訳でもなく、最近はどちらの要素も持ち合わせた複合型が主流である。
というのも、魔法と言ってはいるものの簡単なものは技術として解明され再現が可能になっているからである。
と言ってもできることは簡単な事で戦術兵器クラスの威力は到底出ない。
アオイのスーツも複合型である。
「コレがアオイの専用ヒロインスーツだ」
マネキンに被せていた布を引っ張る。
「うわぁ!か、カッコイイです〜」
白い競泳水着の様なボディスーツには背面に動力源やパワーアシスト装置等のメインユニットが付いている。そしてユニットの制御装置であるベルトには申し訳程度のミニスカート。徒手空拳での戦闘を主として開発しているためグローブとブーツの各ユニットにも様々な機能を搭載してある。
もっと、詳しく説明しようと思っていた博士だが、専用コスチュームにテンションの上がったアオイに今説明をしたところで無意味だと悟る。
「とりあえず、着てみるといい」
「いいんですか?」口ではそう言いながらもアオイはすぐにコスチュームを掴むと袖を通し始める。
「素肌に着ないと意味がないからな。着終わってからでいいから紐ビキニは脱ぐんだぞ」
「はーい」アオイは身体の部分の着替えが終わるとゴソゴソとスーツの中の紐ビキニの紐を解いてスーツの端から抜き取る。
そして、ブーツにベルト、グローブと一通り装着すると仕切りの向こうから戻ってきた。
「自画自賛のようで恥ずかしくもあるが似合ってるな良い出来だ。」
博士の言葉にアオイもまんざらでもない様子だ。
「しかし、このままではさすがに正体がバレバレだからな、このゴーグルをつけるんだ」
目の部分を覆い隠すゴーグルをアオイに渡す。
「うわー!正体不明のヒロインって感じでカッコいい〜!」
アオイはゴーグルを着けるとポーズを取り始める。面白いのでしばらく見続けるが飽きる様子もないのでさすがに止める事にする。
「ノリノリの所水を差すようで悪いがまだその状態ではコスプレだ、最後に登録をしないとそれはただの服だからな。グローブに付いてるブレスレットのボタンを押しながら『登録』と言うんだ」
「登録!」
アオイはそう唱える。
スーツの各所に付いたユニットが稼働しエネルギーラインが青白く輝きを放つ。
「わわ!は、博士、すスゴイです!パワーが全身に溢れてるのがわかります!」
アオイは以前のスーツとは比べものにならない専用スーツの凄さを感じテンションが上がる。
「だろ?今の俺の最高傑作だからな。それじゃ慣らし運転してみるか」
二人は地下のトレーニング施設へ向かう。