呪われた学園 5
言い争っている遥と光に、
「ほら、もたもたしていると遅れるよ。」
「そ、そうですね。」
遥と晶が教室へ入ると、
「光ったら、私には生意気な口を利くのに、晶に対しては素直なんだから。」
「遥の方こそ光君に対して威張ったりしていたじゃないか。」
「そ、それは・・・」
授業が終わって、
「姉さんに晶さん。」
「光君も帰るのか?」
「姉さん達、呪いにかかる前とあまり変わってないみたいだけど。」
すると遥が、
「胸だってこんなに膨らんだのに、変わってない訳無いだろ?」
「体じゃなくて・・・」
光の意図をそれとなく察した遥と晶は、
「いちいちお前に指図される筋合いは無いよ。」
「ま、まあ、色々あったにはあったけど・・・」
戸惑う遥と晶に、
「そうか。幼馴染み以上の繋がりなんだね。」
「ひ、光、そういうお前は好きな女子とかいるのかよ?」
「いるにはいるけど・・・」
苛立つ遥に対し、晶は平然と、
「確か智香って名前だったね。」
「晶さんには一緒に帰るとこ見られていたからな。」
そこへ智香が、
「光君。」
智香は遥と晶に、
「あなた達の事はおばから聞いていますよ。」
「おばって・・・」
「養護教諭の樋口先生は私の父の姉なんですよ。」
光が智香と一緒にその場を去ると、
「養護教諭の姪と光がな・・・」
「光君なりに充実しているなら、良いじゃないの。」