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女刑事特殊課
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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女刑事特殊課 66

マネージャー「こ…これはっ!! 脅迫状です!!」

紙を広げて見ると、中に書かれている文面は次のようなものだった。

『エセ人権派弁護士 津村咲紀へ
 これは警告だ!! あのまま お前を拉致することも
 恥ずかしいヌード写真を撮ることも 殺す事さえ出来た
 しかし それをしなかったのは お前に最後の猶予を与えたのだ
 今日の講演を止めて 急いで事務所に帰れ!!
 そして無意味な警察批判を すぐに撤回して謝罪せよ
 さもないと お前は全てを失うことになる・・・』

しかし咲紀は鼻で笑った。

咲紀「フン! 何よ、こんなもの!! こんな紙切れ1枚でビクビクする私じゃないわよ!!」

怒りにまかせてビリビリと破り捨てる。

マネージャー「バスルームで松岡さんと浅茅さんが倒れています!!」
咲紀「そんな連中ほっときなさい! もう時間がないわ! 私、先に会場に行くからね!!」

下着をつけて化粧を直し、ブラウスとパンツを身につけ、原稿が入ったケースを抱えると咲紀は部屋を飛び出した。
ホテルからタクシーに乗れば、会場まではわずか5分程の距離だ。

咲紀「ごめんなさい、遅くなって!」

咲紀がスタッフルームに飛び込んでくると、スタッフたちが驚いて立ち上がった。

スタッフ「先生! 今までどうしてたんですか?! 待っていたんですよ!!」
咲紀「ちょっとしたトラブルがあってね…。それより私の出番は?」
スタッフ「幸い唯野教授と筒井先生の対談が長引いてますが、それが終わると10分休憩を挟んで先生の番です」
咲紀「そう…。間に合ったのね」

安堵した咲紀はそのまま壇上に立った。それが悲劇の始まりとなるのも知らずに…。

咲紀「皆さん! 今日は皆さんにどうしてもお伝えしなければならないことがあります。それは日本の未来を考える重要な問題です!」

話し始めると、代々木公園に詰めかけた約3万人の大観衆からわあっ…という歓喜の声が上がった。
咲紀のクールな美貌には固定ファンが多くついており、中には熱狂的な『追っかけ』やお宝写真を撮ろうとする『カメコ』も存在している。
その人気には女子アナなどのようなアイドル的な側面があるのだ。
そして咲紀の演説は憲法改正問題・原発危機といった日本の現状を憂う話題から始め、だんだんと核心に近づいてゆく。
マスコミが持ち上げる警察の改革は本当にこれでいいのか? そしてふたなりへの差別を助長しかねない『性犯罪抑止課』の設立に疑問を投げかけていった。
観客たちの熱い視線を一身に受けて、咲紀の弁舌はますます熱っぽく、観客たちを扇動する口調となってゆく。

咲紀「今、警視庁の上層部が設立しようとしている性犯罪抑止課。無理矢理この課に移籍させされるふたなり警官や刑事たち。私はこの状況に正直、怒りを禁じえません。…本当にこれでいいのでしょうか? 私たちふたなりは性犯罪者に奉仕する性の奴隷なのでしょうか? いいえ、違います! 私たちはふたなりである前に人間です!! この新制度は憲法が提唱する『個々の人間はその多様な存在のまま尊重されなければならない』という崇高な理念に逆行するものであることは明らかです!!」
大観衆「…うおおおおおおおぉぉぉぉ……っ!!!!」

咲紀の感動的な言葉に感極まった人々の歓声が沸き起こり、熱気のうねりのようなものが立ち上る。
壇上の咲紀に向かって次々と花束が投げられ、報道陣やカメコの焚くフラッシュがバチバチと輝いた。

咲紀「そして! ……っ?!?!」

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