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女刑事特殊課
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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女刑事特殊課 44

第4部 やっと巡り会えた本当の自分

…ここは神谷グループのアジト。
神谷たちは捜査の手が入る前に『ブラック・ローズ』を撤収、既に別の拠点に移っていた。

大室「神谷さん、霧島がようやく盗聴器に気がついて何か言ってますよ。決着をつけたいそうです」
神谷「フフフ…。面白いじゃない。いちいち罠を張って拉致する手間が省けるわね」
大室「呼び出しに応じるんですか?」
神谷「もちろんよ。その間にお前たちは大塚百合を捕らえておくんだよ!」

プルルル…。
その時、神谷の携帯が鳴った。

神谷「はい、神谷です」
黒幕「…お前は今まで仕事を見事にこなしてきたが、今回は少し失望したぞ。神田寧々を殺害してしまうとは何事だ!」
神谷「…申し訳ありませんでした。案外しぶとい奴で、つい本気で責めてしまいました…」
黒幕「お前もしょせんバカなふたなりだということだな。後でこの埋め合わせはしてもらうぞ」
神谷「はい…その時には必ず…はい…」

さすがの神谷も電話の向こうの相手にペコペコしている。
自分がうっかり寧々を殺してしまうなどという展開は想定外だったようだ。

一方、霧島は…。
きっちりと身支度を整えて愛車に乗り込み、晴海埠頭公園へと向かっていた。
ハンドルを握るその顔には悲壮な決意がありありと読み取れた。
神谷の狙いは特殊課メンバー最後の1人である自分の筈だ。
自分の肉体を囮に使って神谷グループのアジトを突き止めるつもりである。
霧島は20分ほど前、公衆電話から東都に電話をかけていた。

霧島『もしもし東都課長…。霧島です。私の部屋で盗聴器を発見しました。それを使って神谷を晴海埠頭公園に呼び出しました。後はよろしくお願いします』
東都『ちょっと霧島、今どこにいるの? 貴女は自宅謹慎中でしょ? 戻りなさい!!』
霧島『神谷の狙いは私です。私が囮になりますから、課長は私が飲み込んだ超小型GPS発信機を追跡して下さい。発信機を追跡できる地図サイトのパスワードはメールで送っておきました』
東都『やめなさい!! これは命令よ!! 私が何とかするから…貴女は戻って!!』
霧島『それじゃ私のために死んだ寧々に申し訳が立ちません。課長! 貴女しか頼める人がいないんです!!』
東都『お願い、危険なことはやめて!! 上司と部下の関係だから決して言うまいと思ってたけど…。貴女が好きなの!! 大好きなの!! 愛しているのよ!! だから私のために思い直して!!!』

いきなり告げられる東都の本心に霧島は戸惑った。しかしその固い決心は揺るがない。

霧島『…そのお気持ちだけでも嬉しいです。でも私を愛してくれるなら…私の好きにさせて下さい。最後のお願いです!!』
東都『わかったわ…麻里絵…。でも無茶だけはしないでね? 私も後からすぐ行くから』

ガチャリ。
霧島は受話器を置いた。これで心おきなく戦える。
もちろん生きて戻ってくるつもりはない。いざとなったら神谷と刺し違える覚悟であった。

そして晴海埠頭公園。
人気の途絶えた深夜の公園は夜景ばかりが美しく煌めいている。
車を駐車場に停め、霧島は神谷の姿を探して公園をさまよう。

霧島「霧島麻里絵だ!! 1人で来てやったぞ! お前の目的はこの私なんだろ?! 姿を見せろ!!」

周囲に気を配りながら歩き回る。
その時ふと、視界の端で何かがチラリと動いた。

霧島「どこにいる神谷?!」
神谷「フフフ…。ここだよ、霧島…」

木陰からすっと姿を現した黒い影。
今までさんざん霧島を苦しめてきた犯罪グループのボス・神谷和泉である。

霧島「ようやくアンタに会えたわね…。よくも私の仲間を…大切な夏美を…!! あんな酷い目にあわせてくれたわね!! 特殊課に何か恨みでもあるの?!」
神谷「あるさ…。大ありだよ。だが、私の目的はそれだけじゃない」
霧島「何?!」
神谷「今にわかるさ…。それより霧島、よく周りを見てみろ」

見れば、いつの間にか神谷の手下が十数人現れて霧島を遠巻きに取り囲んでいた。
どれも派手な格好をしたふたなりである。
霧島は腰のホルスターに入れた寧々の形見の拳銃に手をかけた。

霧島「たった1人にこの人数? アンタにプライドってものはないの? 正々堂々、私と勝負なさい!!」
神谷「…ふん、いいだろう。ここでお前を手下共に襲わせて拉致するのは簡単だ。だがそれではあまりに面白くない。お前の腕では私に永久に勝てないということをわからせてやろう」

神谷はそう言うとゆらりと両手を構える。
そして人差し指を動かして、くいっくいっと手招きした。

霧島「そこまで私を舐めてるわけ? そっちこそ後悔させてやるわ!」

チキチキ…ッ。
霧島は拳銃から手を離すと、三段伸縮式警棒を取り出して伸ばした。

霧島「やあ―――ッッッ!!!」

そしていきなり突きかかる。
剣道四段の腕前を持つ霧島である。目にも止まらぬ素早さで神谷の胸元を攻めていく。
シュッ!! シュッ!! シュッ!!

神谷「フフフ…」

しかし、どの突きも当たらない。
どれも紙一重でかわされてしまうのだ。或いは完全に間合いを見切られており、届かない。

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