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女刑事特殊課
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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女刑事特殊課 37

涙を流してのたうち回る従業員とM嬢たち。
大騒ぎになった『ブラック・ローズ』を尻目に3人はエレベーターに駆け込んだ!

霧島「セキュリティの奴らが来ないうちに、早く逃げるのよ!!」

…7F。6…5…4…3…2F。
エレベーターはどんどん降りてゆく。霧島は次々と表示されるランプをもどかしそうに見つめていた。
寧々は何も分からずキョトンとしている彩花をひょいと肩に抱え上げる。

寧々「ようし1Fに着いた!!」

エントランスを抜け、マンションを飛び出した3人は近くに待たせてあった夏美の車に乗り込んだ。
すかさずアクセルを踏み込む夏美。
ブロロロロ――ッ!!! 凄い勢いで車が発信する。

霧島「後続車はいないわね?!」
寧々「尾けてくる車はないぜ」
夏美「やったぁ!! 成功ですね、先輩!!」
彩花「…今日は、お店の外でするんですか? うんと虐めて下さいね!」
一同「ぷっ! くすくす…うふふふっ」

彩花のとんちんかんな対応に思わず3人の笑みが漏れた。
あてにならない捜査一課の連中を出し抜いて遂に自分たちの手で彩花を取り戻したのだ!
彩花が再び奪還されないように一刻も早く近くの警察署に駆け込まねば…。
厳しい表情を見せつつも、今の霧島は飛び上がって喜びたい心境だった。
と、その時である。
ボンッ!!
突然、自動車の右前輪がバーストした。

一同「うわあぁぁぁぁ―――ッッッ!!!!!」

夏美は冷静にハンドルを切ってバランスを崩した車を左に寄せていく。
車はフラフラとよろけながら車道を斜めに横断、ガクン…と路肩へ乗り上げた。

霧島「何? 一体何が起きたの?!」
寧々「タイヤを狙撃された! みんな身を伏せるんだ!!」

寧々はきょとんとしている彩花を抱き寄せると後部座席に伏せた。
霧島と夏美もさっと身を伏せながら内ポケットのピストルに手をかけている。

霧島「……………」
夏美「……………」
彩花「もごもご…っ!」

4人はしばらくシートに身を伏せていたが周囲から銃声は聞こえない。
不審に思った寧々が顔を上げてみた。

寧々「おかしいな、誰も撃ってこないわ…。あっ!!」

車の周囲は十数人の男達に囲まれていた。
皆金髪やスキンヘッドにタトゥやピアスを入れたごつい体格の男だ。
どうやら『ブラック・ローズ』の用心棒らしい。
霧島たちの計画は完全に読まれていたのだ。

夏美「先輩、彩花を連れて逃げて下さい! ここは私と寧々で食い止めるから!!」

バンッ!!
夏美と寧々はドアを開けて車外に飛び出した。
騒ぎを避けるため発砲するわけにはいかないが、2人とも空手と柔道の有段者だ。簡単にやられることはない。
鋭い気合の声を上げて2人は用心棒たちに飛びかかっていった。
霧島はそれに続けて車を飛び出し、後部座席から彩花を連れ出すと、背におぶって走り出した。

夏美「とりゃああ――ッ!!!」
用心棒A「ぐああっ!!」

バキッ!! ドスッ!!
襲いかかってきた1人は夏美の鋭い正拳突きと回し蹴りに吹っ飛んだ。

寧々「どっせーいッ!!」
用心棒B「おごおおおおッ!!!」

別の用心棒は寧々に襟を掴まれて瞬時にアスファルトに叩きつけられる。

夏美「さぁどっからでもかかってきな!!」
寧々「特殊課を舐めんじゃねーぞ!!」

2人は背中合わせに立って身構えた。
周りにはまだ十人以上の男たちがおり、じりじりと間合いを詰めてくる。

霧島「…はあっ、はあっ!」

彩花を背負った霧島は全力で駆けながら携帯で110番を押す。
プルルル…。プルルル…。

警官「もしもし…? 何かあったの?」
霧島「警視庁特殊課の霧島だけど…! 今すぐパトカーを出して! 場所は高徳区の国道×号線の路上!」
警官「やれやれ、またアンタか…。イタズラもいい加減にしないと逮捕するよ? アンタの嘘のおかげで一体何回パトカー出動させたと思ってんの? もう付き合いきれないよ!!」

プツン! ツーツー…。
電話に出た警官は霧島を愉快犯扱いすると一方的に電話を切ってしまった。

霧島「…もしもし! もしもし! ちょっと! 何切ってんのよこのバカッ!!」

霧島は叫んで何度も電話をかけたが、警官の反応は変わらなかった。
この用意周到な妨害工作も事前に救出計画を全て把握していた神谷の差し金である。

(こうなったら近くの交番に駆け込むしかない!)

無邪気に喜ぶ彩花をよそに、霧島は突っ走った。
一方、用心棒たちと戦う寧々と夏美はどうなったであろうか…?

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