女刑事特殊課 36
夏美の言葉を聞いて霧島の顔に浮かんでいた疑念の表情が一瞬、消えた。
夏美「寧々も彩花のこと心配してるんですよ。先輩お願い、寧々を仲間に入れてあげて下さい!」
霧島「あなた、この女にあんな酷いことされたのに、許してあげるの?」
夏美「私、信じてますから。私のお腹にいるのは先輩の子供だって!」
夏美は瞳を輝かせながらそう言うと、霧島の手を握り締めた。
寧々「あたしは子供の父親がどっちでも構わないぜ。夏美の子供なら絶対大切にする。…あたしは結局夏美の子を授からなかったしな」
寧々に生理が来たのは1週間ほど前だ。
あれほどこだわっていた精液交換計画の半分は既に失敗した。そこで寧々は計画を諦め霧島への協力を思い立ったのだという。
霧島「わかった! 夏美救出作戦には人手がいるわ。一時休戦しましょ」
夏美「先輩!」
寧々「あたしを信じてくれてありがとう。何でもするよ」
霧島と寧々は握手を交わし、その上から夏美がそっと手を添えた。
こうして三人は手を組んで彩花救出を誓い合ったのである。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
霧島たちが遂に行動を起こす時が来た。発端は1本の電話だった。
その夜、霧島が『久我山レイラ』の名前で入会届に書き記した携帯番号に『ブラック・ローズ』から着信が入ったのだ。
プルルルルル…! プルルルルル…!
ずっとこの電話を待ちわびていた霧島は慌てて携帯の通話ボタンを押した。
霧島「…あぁ? もしもしぃ?」
しかし声は半グレである『久我山レイラ』らしく、世間を舐め切ったポーズを崩さない。
大室「久我山さんの携帯でよろしかったでしょうか? ブラック・ローズです」
霧島「こないだは楽しかったわ。で、漫湖ちゃんの準備が出来たの?」
大室「お待たせしました。久我山さんが派手に虐めるもんでしばらく使い物になりませんでしたが、もう大丈夫です。たっぷり遊べますよ」
霧島「そう! じゃあさっそくそっちに行くわ!」
霧島は傍にいた夏美に目配せしながら席を立った。
数十分後、変装してすっかり久我山レイラになりきった霧島は『ブラック・ローズ』のドアの前にいた。
そしてインターホンを鳴らす…。ブーッ。ブーッ。
大室「はい、ブラック・ローズです」
霧島「さっき電話もらった久我山だけどぉ…。早く入れてくんない?」
大室「かしこまりました。今、開けます」
ガチャリとドアが開き、大室が霧島を中に迎え入れた。
先日のごつい用心棒の姿は見えない。
霧島「ずっとあのコを虐めたくてウズウズしてたの。早く漫湖ちゃんに会わしてよ!」
大室「今お連れしますから、先にプレイルームで待っていて下さい」
霧島がプレイルームのソファに座っていると、ほどなく再びドアが開いた。
大室「お待たせしました」
彩花「お姉様、こんばんは〜。またいっぱい虐めて下さいねぇ…」
霧島「…………ッ!」
大室に連れられてやって来た彩花は、以前よりさらに痩せ衰えていた。
霧島と同じく強力なドラッグを投与されて禁断症状が出たのだろう。
目は焦点が合わず、虚ろなまま宙を泳いでいる。
バストは巨乳化したままだが、身体は細くなってアバラが浮き出していた。
そして股間にはオムツが当てられている。
大室「漫湖ちゃん、久我山さんのフィストで括約筋が伸び切ってしまいましてね。もう垂れ流し状態なんですよ。粗相したらうんとお仕置きしてやって下さい」
彩花「お願いしますぅ…。今日はオ○ンコにフィスト入れて下さいね…」
霧島はその惨めな姿に激しく心が痛んだ。自分のした行為が彩花を苦しめているのだから。
しかし、その感情を押し殺してにっこり笑うと楽しげに言った。
霧島「漫湖ちゃん、今夜もたっぷり逝かせてあげる!」
大室「ではたっぷりお楽しみ下さい…」
引き上げようとする大室の後頭部を、霧島の三段伸縮式警棒が襲った。
バキッ!!
大室「ぎゃああッ!!」
頭を抱えて大室は倒れ込んだ。
用心棒「お客さん、一体どうしました? 騒ぎを起こされちゃ困りますよ」
プレイルームにのそっと顔を出した用心棒。
そいつのみぞおちにも霧島得意の警棒の三段突きが炸裂する。
ドスッ!! ドスドスッ!!
用心棒「ぐげえええェェッ!!!」
あえなく崩れ落ちる用心棒の身体を跨ぎ、霧島は彩花を抱き上げたままプレイルームを飛び出した。
従業員「おい待てコラ!! お前、何やってるんだ?!」
奥の部屋から飛び出した強面の従業員が霧島を追いかけようとする。
と、その時であった。
ボンッ!!
マンションのドアの鍵が電気ショックでこじ開けられ、寧々が飛び込んできた。
寧々「ほらよ! お土産だぜ!!」
シュッ!! カランカランカラン…。ブシュウウウ―――ッ!!!!!
寧々が床に放り投げた催涙ガスが猛烈な勢いで噴出する。
もうもうたる煙で辺りは一面真っ白になる。
M嬢「キャアアアアアアッ!!」
従業員「うーっ!! ゲホッ、ゲホゲホッ!!」