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プリキュアの国の王様
官能リレー小説 - 二次創作

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プリキュアの国の王様 64

「あぁ……私はなんと愚かなのでしょうか。こんな恩を仇で返すような愚かな人間のために、こんなくだらないことを画策する貴族をのさばらせる帝国のために、今まで尽力していたとは……」
これがヘラルド一派の仕業だと確信したオリベイラに尋常では無いほどの魔力が集まり、優秀な魔法使いでもある彼といえど、明らかに制御しきれる量ではなくなる。
「りょ、領主様!お許しを!!」
「許す?こんなことをしでかした愚か者を許す?一体何をふざけたことを言っているのですか?」
オリベイラからの反論で、自分達が卑劣な貴族に騙され、取り返しのつかないことをしてしまった事に気づき顔面蒼白になっていた領民達は、その言葉に絶望する。
そしてオリベイラも、その領民の言葉に、キレた。……怪しげな者達が近づいて来ていることにも、気づかないぐらいに。
「許すわけないだろうが!お前らも!お前らを唆した貴族たちも!そんな奴らをのさばらしている帝国も!全部!全部!!全部、ゆ……」

その瞬間、オリベイラ達がいる部屋の壁の一部が崩れた!!

「……るすもの……か?」
突然の出来事に、爆発寸前の怒りが引っ込んだオリベイラ。
「………………」
壁に出来た穴から、赤い服を着た長身の少女が出てきた。ただし、その爪は指の倍ぐらい長く、それでいて鋭く伸びている。また、その瞳は黄色く染まっていた。
「な、何だ……こいつ?」
(まさか、数十年前に出現したという魔人か?……いや、賢者と導師に討伐されたやつの目は赤かったと聞く。あの少女の目の色は……)
怪しげな少女……ねこ娘に続き、30代前半の男が入ってくる。
「……遅かった、か」
その男は、領民達、オリベイラ、そして事切れたアリアを見て沈痛な面持ちで呟いた。
「いや、まだ間に合うはずだ」
これが、プリキュアや鬼太郎達の力を借りてケンジャノマゴ大陸を自ら調査していた王様と、2年後の夏に【魔人シュトローム】としてブルースフィア帝国を滅ぼし、現在はハグット地区はぐくみ市の市長を務めるオリベイラとの出会いだった……。

※※
「あの頃は、色々あったな」
当初はケンジャノマゴ大陸には深く関わるつもりはなく、オリベイラはじめ有用な人材を帝国から引き抜いたらオサラバするつもりだった。しかし、オリベイラや、大量のプレージャル・エネルギーを浴びて蘇生したアリアは、産まれることすら出来なかった我が子の復讐を、帝国の打倒を望んだ。
そんな夫妻に、王様は力を貸した。小説や漫画で描かれた以上の腐敗ぶりを目の当たりにした彼としても、ブルースフィア帝国という国は、かつての幻影帝国よりも邪悪な国としか思えなかった。
こんな国が万が一にも、原作主人公シン・ウォルフォードを倒し、大陸を制したら。
そして、メイジャーランドの存在に気づいたら……。
それは、王様にとって想像するのが不愉快な事態だった。
『ヘラルドめ!帝国貴族どもめ!アコも、エレンも、アフロディテも、お前らの好きにさせてたまるか!!』
帝国貴族としての姓を捨てて、【オリベイラ・シュトローム】【アリア・シュトローム】と名乗る夫妻と、契約を結ぶ。帝国を倒した暁には夫妻揃って臣従することを。
『あ、メフィストと、トリオ・ザ・マイナー、ハミィを忘れてた』
『陛下……』

「しかし、よくわからん事もあったな」
強い力を欲したシュトローム夫妻の求めに応じ、王様は大量のプレージャル・エネルギーをその身に吸収させてやった。
「精々、身体能力か魔力が底上げされるぐらいだと思ったんだが……」

ふたりは、理性を残したままで魔人になった。 
「あの大陸の人間と、プレージャル・エネルギー、どっちがおかしいんだろうな?……後者だな、うん」

ともかく、元・公爵夫妻から魔人の夫婦になったシュトローム夫妻は、ゼストたち諜報部隊や、ラドリーたち魔物ハンター、そして、ミリアのような不当に冷遇されていた帝国人に声をかけ、魔人化させていった。
そして、2年前の夏に帝都を滅ぼし、皇帝になっていたヘラルドを討ち取り、他の街や村も全て滅ぼした。

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